【2022年最新】リスティング広告のマッチタイプとは?

編集部

この記事では、リスティング広告のマッチタイプの基礎知識と使い方、上手に使うポイント、最近の動向を説明します。リスティング広告の運用に慣れている方でも、マッチタイプを使いこなすのはなかなか難しいものです。また、2021年に大きな変更もあり、最新の事情も把握しておく必要があります。

マッチタイプの使い方を理解したい方や、最新事情を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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マッチタイプとは?

マッチタイプとは

マッチタイプとは、リスティング広告で広告を表示させる範囲を設定するものです。

例えば、リスティング広告のキーワードを「男性用 下着」と設定する場合、マッチタイプの設定次第で、「男性用 下着」と検索されたときにのみ広告を表示させる、ということができます(完全一致)。

また、「男性用 下着」の文字が入っていなくても、「グンゼ 購入 ボクサーパンツ」などの類似するような検索語句で広告を表示させることも可能です(部分一致)。

マッチタイプの設定を間違えると、広告の表示範囲が広がり過ぎて、意図しないユーザーに広告を表示させてしまいます。
前述の例でいうと、ボクサーパンツを取り扱っていない広告主にとっては、「グンゼ 購入 ボクサーパンツ」で検索したユーザーへの広告表示は、無駄打ちです。

一方、「男性用 下着」で検索されたときのみ広告表示される設定だと、「グンゼ 購入 ボクサーパンツ」のような、ボクサーパンツを具体的に探している濃い見込みユーザーには広告は表示されません。せっかくの販売機会を逃すことになるわけです。

逆にマッチタイプはうまく設定できると、見込み客に対して効果的にアプローチし、コンバージョンさせることができます。
例えば「男性用 下着」と設定し、「グンゼ 購入 ボクサーパンツ」の検索語句で広告表示できれば、購入に近しい具体的な検討ユーザーをランディングページ(LP)へ誘導が可能です。

マッチタイプをうまく使いこなすことが、リスティング広告を成功させる鍵ともいえます。

キーワードの類似パターンも考慮される

キーワードのマッチタイプは、当該キーワードの類似パターンも考慮されます。類似パターンとは、検索語句が設定キーワードと完全に一致していないものの、類似していた場合は、一致とみなすというものです。

例えば、キーワードが「男性用 下着」と設定してある場合でも「下着 男性用」「男性用の下着」「メンズ下着」「男性下着」などの類似パターンは一致とみなされます。
類似パターンが考慮されることによって、表現の細かい違いによって多くのキーワードを登録する必要はありません。

詳しくは、Google広告やYahoo!広告のヘルプページを参考にしてください。

マッチタイプの3つの種類

マッチタイプの種類

マッチタイプには「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」の3種類があります。
広告が表示される機会がもっとも限定されるのが「完全一致」、もっとも表示機会が多いものが「部分一致」です。

この章では、3つのマッチタイプについて、具体例やメリット、デメリットを説明します。リスティング広告の根幹となる考え方なのでぜひ理解しておきましょう。

完全一致

完全一致とは、設定したキーワードと検索キーワードが完全に一致する場合、もしくは類似パターンに該当するときに、広告が表示される設定です。
例えば、設定用キーワードが「男性用 下着」であった場合は、下記のようなキーワードのとき広告表示されます。

  • 男性用 下着
  • 下着 男性用
  • 男性下着
  • メンズ用 下着

一方、下記のように違う語句が入っていたり、意味が違う語句が検索されると広告は表示されません。

  • 男性用 下着 おすすめ
  • 女性用 下着

メリット

完全一致のメリットは、設定したキーワードを、検索したユーザーにのみ広告表示できることです。
自らその情報が欲しいと思って検索しているユーザーは、広告をクリックしたりコンバージョンしたりしてくれる可能性が高いです。完全一致は、意図したとおりのキーワードを検索したユーザーにピンポイントで訴求できる設定です。

広告の表示機会も限られるため、無駄な費用消化を防ぐこともできます。
例えば、「男性用 下着」とキーワードを完全一致で設定した場合、男性用の下着を探す人に広告は表示されますが、女性用下着を探していたり、男性用のアウターを探していたりする人には広告は表示されません。
男性用 下着」を検索するユーザーにだけ広告が表示されてクリックされることになります。

デメリット

一方、広告の表示機会を制限してしまうことがデメリットでもあります。なぜなら、広告主が想定していないキーワードで検索しているユーザーを取り逃がしてしまうからです。
「男性用 下着」で検索するユーザーは、「ボクサーパンツ」で検索することもあります。しかし「男性用 下着」を完全一致で設定していた場合、「ボクサーパンツ」で検索しても広告は表示されません。

ユーザーの検索キーワードは多種多様であり、想定外のキーワードで検索しているケースも多いです。完全一致のみでキーワードを設定すると、見込み客の獲得数が少なくなったり、なかなかターゲットが獲得できなかったりするので、注意して使いましょう。

フレーズ一致

フレーズ一致とは、設定キーワードを含んだキーワードでユーザーが検索した場合に広告が表示される設定です。
検索キーワードのなかには設定キーワードが含まれていて、検索意図が同じキーワードの類似パターンで検索されていれば、広告が表示されます。

「男性用 下着」が設定キーワードであれば、下記のキーワードで広告表示されます。

  • 男性用 下着 おすすめ
  • 下着 男性用 購入
  • 男性用の下着
  • 男性用下着
  • メンズ物 下着

一方、下記のように検索意図が違ったりするものは、広告表示されません。

  • 男性用 アウター
  • 女性用 下着 購入
  • 下着泥棒 男性

メリット

フレーズ一致は、ある程度検索範囲を絞りつつ検索ユーザーに対して広告表示できる点がメリットです。語順が違ったり、検索キーワードに違うキーワードが入っていても、検索意図が同じであれば広告が表示されます。

広告の表示機会をある程度広げ、完全一致よりも多くの検索ユーザーにアプローチできると、結果としてより多くのユーザーを獲得できる可能性があります。

デメリット

一方、フレーズ一致も「同じフレーズが含まれるキーワード」という条件がついているため、広告の表示機会が減ることがデメリットです。完全一致よりも広告表示できる検索ユーザーは多いとはいえ、基本的には設定キーワードを検索しているユーザーにしか広告を表示できません。

設定キーワード以外で検索してくる見込みユーザーの獲得は、フレーズ一致でも難しいといえます。

部分一致

部分一致とは、設定キーワードだけでなく、その関連するキーワードが検索された場合でも広告表示される設定のことです。キーワードの順番やキーワードの間の語句は考慮されません。
例えば「男性用 下着」の場合、以下のキーワードで検索されても広告表示されます。

  • 男性用 下着
  • トランクス メンズ
  • 男の子用パンツ
  • グンゼ 購入 ボクサーパンツ

一方、以下のキーワードは広告表示されません。

  • 女性 パンティー
  • 男性 アウター
  • メンズジャケット

Google広告の場合、部分一致は検索ユーザーと関連性に高い広告を表示させるために、検索ユーザーの最近の検索内容も考慮されます。

また、ランディングページのコンテンツや広告グループ内のほかのキーワードも考慮しつつ、どの検索ユーザーに広告を表示されるかが決められています。

メリット

部分一致のメリットは、広告表示される検索ユーザーの幅が広がることです。設定キーワードの語順違いだけでなく類似するキーワードまで広告表示の対象となるので、完全一致やフレーズ一致でキャッチしきれない見込み客にアプローチできます。

また、実際の検索語句を見ると、当初想定していなかった検索語句もコンバージョンしていることがあります。部分一致はそのような意外な発見ができることも大きなメリットです。

デメリット

一方、部分一致は広告表示対象が広がり過ぎて、関係のないユーザーにも広告が表示されることがあります。関係のないユーザーに広告が表示され、クリックされてしまうと、無駄な費用消化が発生することがデメリットです。

例えば、「男性用 下着」と設定した場合、「男性用 インナーシャツ」と検索したユーザーにも広告は表示されます。しかし、実際の売りたい商品が男性用のパンツだった場合、広告のクリックは無駄です。

ターゲット外のキーワードがクリックされている場合、そのキーワードを除外設定する必要があります。除外設定とは、当該キーワードが含まれる検索に対し、広告を表示させない設定です。

しかし、除外設定をいちいちおこなわなければならない点は部分一致のデメリットといえます。
部分一致は、広告表示の範囲の制限がもっともゆるい設定です。メリットもありますが、除外設定などをおこたると無駄なクリックで費用が消化されてしまうので、注意が必要です。

マッチタイプの選び方

マッチタイプの選び方

3種類あるマッチタイプはうまく使うことで、効率的なリスティング広告の運用が可能です。
コンバージョンが獲得できるキーワードは、完全一致にすることで無駄なクリックがなくなり、結果的に安価な費用で多く獲得できます。

完全一致ほど表示範囲は狭めたくないが、余計なクリックは極力押さえたい場合は、フレーズ一致がちょうどよい設定です。また、設定キーワードだけではなく類似するキーワードに広げて幅広く広告表示させたい場合は部分一致がおすすめです。

コンバージョンにつながるキーワードは完全一致

コンバージョンが獲得できそうなキーワードは、完全一致を使うのがおすすめです。
完全一致は、設定したキーワード以外で広告が表示されたりクリックされることがないので、コンバージョン獲得できそうなキーワードにすべての広告費を投下できます。結果として、無駄なクリックも発生しないので獲得単価が安く済むことが多いです。

「コンバージョン獲得できそうなキーワード」とは、商品・サービスの指名検索やブランド名の検索などの、訴求商品に対するニーズがはっきりしているキーワードを指します。商品やブランドの名前で検索されることが多ければ、その名前を完全一致にして出稿すると、検索結果で上位表示させて見込み客を多くサイトへ誘導ができるでしょう。

部分一致だと広すぎ、完全一致だと狭い場合はフレーズ一致

フレーズ一致は、完全一致ほど広告表示の範囲を限定したくはないが、部分一致ほど表示範囲を広げたくない場合に最適な設定です。
ターゲットを絞り込みつつ、その獲得のためにさまざまな検索キーワードで広告表示機会が得られる手法なので、広告主にとって使いやすいマッチタイプです。

以前は、語順が同一のものがフレーズ一致とされていたため「男性用 下着」が設定されていた場合、「下着 男性用 セール」では広告表示できませんでした。現在は語順が逆でも検索意図が一緒であれば表示されるようになったため、「下着 男性用 セール」でも広告表示されます。

想定している以外のニーズを拾いたいときは部分一致

部分一致は、関連キーワードまで広告が表示されるので、想定している以外のキーワードも検索語句で拾えます。設定キーワードは、検索ニーズの一部しかキャッチできていない場合が多く、検索語句を見ると意外なキーワードでコンバージョンしていることも多いです。
もちろん、明らかに関係のない検索キーワードも多いので、適宜除外設定していく必要があります。

しかし、コンバージョンにつながった設定していないキーワードを、完全一致やフレーズ一致として設定しながら、設定キーワードの幅を広げていくのも、部分一致を上手に運用していくポイントです。

マッチタイプの変化

マッチタイプの変化

リスティング広告は、インターネット広告のなかでもかなり古くからある手法ですが、いまだ日々進化を遂げています。マッチタイプについては、直近では絞り込み部分一致の廃止とGoogle広告の部分一致の精度向上が実施されています。

絞り込み部分一致は扱いやすかったことから多くの運用者が使っていましたが、機能がフレーズ一致で対応できるようになったのにともない廃止となりました。部分一致の精度向上もますます多様化する検索語句に対応するためのものです。

ここでは、そんなリスティング広告のマッチタイプの最新の動きについてレポートします。

絞り込み部分一致の廃止

Google広告とYahoo!広告には以前、マッチタイプに絞り込み部分一致というものがありましたが、2021年7月に廃止されました。それまで絞り込み部分一致で入稿していたキーワードは、フレーズ一致に置き換えられ、新規の入稿はできなくなっています。

絞り込み部分一致は、「+」をつけたキーワードには完全一致として機能します。以前のフレーズ一致は、2語以上の単語が語順まで一致していないと広告表示できませんでした。一方、絞り込み部分一致であれば、「+」をつけたキーワードの語順を変えても広告表示されました。

そのようなことから、以前は完全一致よりも広く、部分一致よりも狭く広告を表示させたい場合によく使われていました。
しかし、その後フレーズ一致は、語順が逆でも広告表示できるようになったため使いやすくなり、機能が被る絞り込み部分一致は廃止されました。

Google広告では部分一致の精度が向上

Google広告では2021年9月頃から、部分一致の精度を向上させており、積極的に部分一致を使うよう推奨しています。なぜ部分一致を強化しているのかというと、日々出てくる検索語句への対応と、広告表示機会の増加を図るためです。
Googleでは、毎日何十億回もの検索がありますが、その15%はこれまでに見たことのない語句で検索されるとのこと。それに対応するために、部分一致の予測精度を一層向上させようとしています。

現在は検索語句の意味やキーワードの意味、ランディングページなどの関連性も考慮されるようになりました。一方、部分一致の精度向上はまだ道半ばであり、訴求したい商品・サービスと関係のない検索キーワードでも表示されるので除外キーワードなどの設定は必須です。

マッチタイプ活用のポイント

マッチタイプ活用のポイント

最後にマッチタイプを上手に活用するポイントをお伝えします。

マッチタイプを活用するには検索語句レポート(Yahoo!広告の場合は検索クエリ―レポート)のチェックが重要です。
特にフレーズ一致や部分一致を使っている場合は、新しいコンバージョンにつながるキーワードの発見ができることもあれば、逆にターゲットではないユーザーの無駄なクリックも見られます。
検索語句レポートを定期的にチェックすることで、設定キーワードの追加・除外のヒントを得られるので、マッチタイプを活用するうえで必須の項目です。

またGoogle広告の推奨であるスマート自動入札では部分一致での入稿が推奨で、うまく使うことで効率よくコンバージョンの獲得もできます。ここでは、マッチタイプの活用ポイントについて3点説明します。

1.検索語句レポートを活用してマッチタイプが正しいかチェック

マッチタイプをうまく使いこなすうえで、チェックすべきものが検索語句レポートです。マッチタイプは、広告主が意図するターゲットに広告表示するためのものです。実際にきちんとターゲットが流入しているかどうか、検索語句レポートで確かめることが重要です。

また部分一致の場合は、予期しないキーワードで流入しコンバージョンしていることもあり、検索語句レポートで新たにキーワードを発見することもあります。設定キーワードの幅を広げるためにも、検索語句レポートは定期的にチェックしましょう。

2.除外キーワード設定でマッチ度を高める

マッチタイプを活用するうえで欠かせないのが、除外キーワード設定です。検索語句レポートを使い、実際に検索されたキーワードを確認しながら、関係のないキーワードを除外設定していきましょう。

部分一致やフレーズ一致の場合、関係のないキーワードでの流入はどうしても発生します。そのようなキーワードでのクリックは無駄なので、できる限り除外しなければなりません。またクリックしていても、コンバージョンになかなかつながっていないキーワードも除外すべきキーワードです。

このようなキーワードのメンテナンスが、ターゲットに広告表示させるための大事な作業ですので、必ず定期的におこなうようにしましょう。

3.Google広告のスマート自動入札は部分一致で実施する

スマート自動入札とはGoogle広告で利用できる機能で、費用を抑制しながらコンバージョン獲得数を最大化してくれる便利な機能です。
Googleがコンバージョンにつながらないクリックを自動的に抑制し、できるだけ多くコンバージョンが獲得できるように努めてくれるので、現在多くの広告主で導入が進んでいます。

このスマート自動入札を上手に活かすには、マッチタイプは部分一致を使うことが推奨されています。部分一致でひっかかる検索語句のなかで、コンバージョンにつながるシグナルを、Googleが見つけてくれます。なお部分一致は、スマート自動入札の効果を強めるため、Googleでは併用を推奨しています。

一方、部分一致での設定は余分な検索キーワードでの流入もあります。除外設定などで無駄なクリックを防ぎながら運用していかなければなりません。
世界中の検索語句を日々収集・解析しているGoogleが、いわば自社にふさわしいユーザーを自動的に選んで広告配信してくれる機能がスマート自動入札です。ぜひ積極的にうまく活用しましょう。

マッチタイプを有効に使って無駄なく成果を上げよう

リスティング広告のマッチタイプ

この記事でリスティング広告のマッチタイプ、基礎知識と最新動向、そして上手につかいこなすポイントについて説明しました。
マッチタイプは、リスティング広告のターゲティングを左右する大事な設定です。うまく活用するためには、検索語句レポートなどを見ながらのメンテナンスも欠かせません。

一方、絞り込み部分一致が廃止され、部分一致が推奨されるようになっているなど、その動向も日々変化しています。マッチタイプは進化をしており、よりシンプルに運用できるような方向に進むと予想されます。ぜひそうした動向のチェックも怠らないようにしましょう。

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編集部

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