アプリ広告でおさえておきたい主要KPIまとめ

編集部
アプリ広告でおさえておきたい主要KPIまとめ

アプリ広告を運用する際、「どれくらい広告効果があったか」などの分析・評価、「広告コストを回収できるか」などの予測を立ててPDCAサイクルを回していく必要があります。

その際に重要な指標になってくるのがKPIです。アプリによって設定するKPIは異なりますが、本記事では最低限抑えておくべき主要なKPIについて解説していきます。アプリ広告に限らず、WEBマーケティング全般で一般的に使われている指標も多いので、しっかりチェックしていきましょう。

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1.アプリ広告におけるKPIとKGIの定義

アプリ広告 KPI KGI 定義

まず、マーケティングの基礎知識ですが、あらためてKPIの定義を確認しましょう。KPIと混同されやすいKGIについても解説します。

KPI(Key Performance Indicators)とは

KPIとは「Key Performance Indicators」の略で、直訳すると「重要業績評価指標」という意味になります。売上高や成約率などの企業の達成目標に対し、どの程度達成したかを示す評価指標です。

KPIは、業績の最終的な目標に至るまでのプロセスのなかで、どこまで達成できたかを把握・評価する「中間目標」と言い換えることもできます。そのため、最終目標を達成するためにはKPIの設定はとても重要になります。

KGI(Key Goal Indicator)とは

KPIと混同されがちな「KGI」のことも理解しておきましょう。KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、直訳すると「重要目標達成指標」です。KPIと異なるのは、KPIは「中間目標」を指すのに対し、KGIは「最終目標」を指す点です。KGIに到達するためには、どの時点でどこまで目標に近づけておくべきかを把握する必要があります。

アプリ広告でKPI・KGIを定めるとすれば、例えば、KGIを「アプリ広告からの問い合わせ件数30件/月」、この目標を達成するためのKPIを「アプリインストール数を前月比10%アップ」などと設定できます。

行動目標を立てるにあたっては、最初にKGIを設定し、それをクリアするための課題を分析したうえで、KPIを設定しましょう。

2.アプリ広告で押さえておきたいKPI

アプリ広告 押さえておきたい KPI

アプリ広告の運用において、15個の主要KPIを解説していきます。少々数が多いと感じられるかもしれませんが、いずれも重要な指標となるため、ひとつずつチェックしていきましょう。

インストール数

インストール数とは、各アプリストアからアプリがインストールされた数を指します。多くのアプリ事業者は、インストール数の「先月と比較して月間件数を維持できているか」「昨対比で増加できているか」などの数値を定期的に確認し、新規ユーザー獲得の動向を意識しています。アプリに関する指標の多くは、インストール数をベースにしていると認識しておきましょう。

インストール数のなかには、アプリを1度削除し、再度インストールした数も計上されることがあります。そのため“初回インストールのみを計測する”、“初回インストール以外も含む”など、「インストール数」の定義を事前にきちんと設定するといいでしょう。

CPI(Cost Per Install)

CPI(Cost Per Install)とは、アプリインストール1件の獲得にかかったコストのことです。計算式は下記のとおりです。

CPI=コスト÷アプリのインストール数

アプリ広告を配信する際は、この投下したコストがいわゆる「広告費」にあたります。したがって、CPI が安ければ安いほど、効率良くアプリのインストール数を獲得できていることを示しています。

アンインストール数

アンインストール数とは、一度インストールしたアプリを、ユーザーがデバイスから完全に削除した数のことです。

継続的にインストールされているのに売上につながらない場合、アンインストール数が増加している可能性があります。その場合は、「なぜアンインストールされてしまうのか?」という原因を早めに追求し、アンインストールされないよう対策を打つようにしましょう。施策を打ったあとは、その後の効果測定も必要です。その際、インストール数に対するアンインストールの「割合」で測るか、アンインストールされるまでの「期間」で測るかを事前に決めておくとよいでしょう。アンインストールの割合と期間、どちらの指標を設定するかはアプリのジャンルや用途によって異なります。

なお、アプリ内でガチャが存在するゲーム、特に「初回(インストール後)ガチャ無料」をうたっているゲームアプリの場合は「リセマラ(リセットマラソン)」を認識しておきましょう。リセマラとは、ユーザーが初回ガチャを回して好みのキャラクターが出てくるまで、アプリのインストールとアンインストールを繰り返す行為のことです。その場合、インストール数とアンインストール数が極端に多くなることがあります。

イベント数

イベント数とは、アプリをインストールしたあとにアプリ内でおこなった特定のアクションの数を指します。計測するアクションはアプリによって異なるため、アプリごとに独自でイベントの計測設定をおこなう必要があります。

計測するイベントの例として、例えばショッピングアプリであれば「カートに商品追加」「注文完了」、ゲームアプリなら「チュートリアル完了」などが挙げられます。注文完了数を計測できれば、商品購入率の算出、チュートリアル完了が計測できれば、ゲームの進捗率やプレイ頻度などをそれぞれ把握できます。

どのイベントを達成すればユーザーがアプリを継続して使ってくれるか、売上につながるかを考えて、計測すべきイベントを設定しましょう。

PUR(課金率)

PUR(Paid User Rate)とは、アプリをインストールしたユーザーのうち、どれくらいの割合が課金したかを示す指標=課金率です。計算式は下記のとおりです。

PUR=課金ユーザー数÷インストール数

アプリによって課金するポイントは異なりますが、よくあるのは「有料会員への登録」、「アプリ内でのアイテム購入」、「アプリ内でのガチャチケット購入」などです。

課金率が高いほど、売上は伸びる傾向にあります。課金率を上げるためには、ユーザーが課金したくなるような魅力的なコンテンツや機能を提供する必要があり、アプリの改善やブラッシュアップにも役立てられる指標です。

AU(アクティブユーザー数)

AU(Active User)とは、アプリを利用しているユーザーの数です。一般的にアクティブユーザー数は、下記のとおり期間を月・週・日単位で区切って数値を確認する必要があります。

MAU(Monthly Active Users)

1ヵ月あたりのアクティブユーザー数のこと。特定の月に1回以上アプリを起動すると、アクティブユーザーとしてカウントされます。

WAU(Weekly Active Users)

1週間あたりのアクティブユーザー数のこと。レジャー・お出かけ関連のアプリは休日に起動するユーザーが多い傾向にあるため、そのようなアプリの場合に注目すべき指標です。

DAU(Daily Active Users)

1日あたりのアクティブユーザー数のこと。日常的に利用されるニュース関連アプリ、天気予報アプリなどは、この数値が高くなる傾向があります。

アクティブ率

アクティブ率とは、特定の期間内におけるアクティブユーザーの割合のことです。先ほど開設したMAU / WAU / DAUの数値を使い、アプリを継続的に利用しているユーザーの割合を把握できます。

例えば「MAU率」は、該当のアプリをインストールしたユーザーのうち、月末の時点で月に1度以上アプリを起動させたユーザーの割合を指しています。MAU率は、MAUの数値を利用して算出が可能です。同様に、WAU 率、DAU 率も算出できます。計算式は下記のとおりです。

MAU 率=MAU÷アプリをインストールしているユーザー数

WAU 率=WAU÷アプリをインストールしているユーザー数

DAU 率=DAU÷アプリをインストールしているユーザー数

NU(New Users、新規ユーザー数)

NU(New Users)とは、アプリを利用しているユーザーのうち、新規ユーザー(新しくアプリをインストールしたユーザー)の数を指します。「先月比や先週比でどう推移したか」など、定期的に数値を追っていくべき数値です。

特に、新規ユーザー獲得のための施策を打った場合、「想定どおりに新規ユーザーを獲得できたか」、「想定の獲得コストで効果が出たか」などを確認するようにしましょう。

RR(Retention Rate、リテンション率)

RR(Retention Rate、リテンション率)とは、アプリをインストールしたユーザーの継続利用率のことです。インストールした日の翌日から計算して、○日後に再びアプリを起動させたユーザーの割合を示しています。また、「アプリの起動から○日後に再びアプリを起動させた割合」も算出できます。

特によく使われているのは1日後(1 day RR)、7日後(7 days RR)、1ヵ月後(1 month RR)などの指標です。その他、3日後、3ヵ月後、6ヵ月後なども指標として有効です。

ARPU(Average Revenue Per User)

ARPU(Average Revenue Per User)とは、ユーザー1人あたりの売上のことで、いわゆる「売上単価」を指します。計算式は下記のとおりです。

ARPU=売上÷インストール数

ARPU も期間は決まっていないため、アプリごとに売上単価を確認したい期間に合わせて算出するようにしましょう。インストール数に対して売上がともなっているかを確認することで、インストールを獲得するチャネルの変更や、売上を伸ばすための施策の実施など、次に打つ手を検討できます。

ARPPU(Average Revenue Per Paid User)

ARPPU(Average Revenue Per Paid User)とは、課金ユーザー1人あたりの平均売上のことです。計算式は下記のとおりです。

ARPPU=売上÷課金ユーザー数

ARPU と同様、算出する期間に定義はないため、各自で期間を設定しましょう。

ARPPU は課金ユーザーを対象としているため、売上に貢献しているユーザーの現状を把握できます。そのため、課金をより促すための改善施策を打つ際の指標のひとつになります。

課金ユーザー数の底上げも重要ですが、成果を最大化するには既存の課金ユーザーを対象に ARPPUの改善をおこなうほうが効率的です。

ASO(App Store Optimization)

ASO(App Store Optimization)とは、アプリストアで他社のアプリよりも該当アプリを上位に表示させるための施策のことです。アプリ版のSEO(Seach Engine Optimization)と考えると、イメージしやすいかもしれません。

ASOは、SEO と同様に、アプリストア内でより上位に表示させることで露出を増やし、アプリ詳細ページへの誘導、最終的にアプリのインストールにつなげることを目的としています。上位表示させるためには、「アプリ名にキーワードを入れる」「アプリ画面のスクリーンショットなどの効果的な画像を使用する」などの手段が考えられます。また、アプリストアの登録情報のアップデートも ASO 向上につながるとされているため、適宜対応していくようにしましょう。

ROAS(Return On Advertising Spend)

ROAS (Return On Advertising Spend)とは、広告にかけたコストがどれだけ広告を経由した売上につながっているかを示す、すなわち「広告の費用対効果」のことです。計算式は下記のとおりです。

ROAS=売上÷広告コスト

一般的に、広告プロモーションの効果を表す場合は、次に紹介するROIよりもROASの指標が用いられる傾向があります。

ROI(Return On Investment)

ROI(Return On Investment)とは、投資したアプリ広告に対してどれだけの利益があったかを示す、いわゆる「広告の投資対効果」のことです。計算式は下記のとおりです。

ROI=利益÷広告コスト

ROASと混同しがちですが、ROASは広告コストに対して売上効果がどれだけあったかを示すのに対し、ROIは利益効果がどれだけあったかを示します。

例えば、広告コストに100万円をかけたプロモーションを実施し、120万円の売上が上がったとすれば、利益額は20万円です。その場合、ROASは120%となります。一方、ROIは20%(利益額[20万円]÷広告コスト[100万円])となります。

LTV(Life Time Value)

LTV(Life Time Value)とは、インストールしたユーザーの生涯の平均収益を指し、日本語では「顧客生涯価値」といいます。1ユーザーあたりの見込み収益と言い換えることもできるので、獲得したユーザー数から売上予測を立てたり、プロモーションに利用できるCPIの許容単価を算出したりするのに役立てることができます。

例えば、毎月1万円課金するユーザーが1年間アプリを利用すれば、LTVは12万円となります。しかしながら、LTVはアプリのジャンルや流入チャネルなどによって算出法が異なるため、実際の計算はこれほど単純ではない場合がほとんどです。

(計算式の例)

月額会員制(サブスクリプション)アプリの場合:LTV=1ユーザーあたりの平均収益÷アプリの離脱率

課金制のゲームアプリの場合:LTV=(ユーザーの課金総額+総広告収入額)÷累計ダウンロード数

LTVを算出するにあたって、特定の集計期間は定められていません。そのため、「集計期間をどのように設定すればよいか?」と悩む方もいるのではないでしょうか。期間を設定するためには、まずはアプリ利用における“生涯”をどのように定義づけするかがポイントになります。

おすすめは、ユーザーの継続率を確認し、「アクティブユーザーがほぼいなくなるタイミングはいつか」に注目することです。例えば、インストールから99日目で継続率が0.5%になっている場合、アクティブユーザーはほぼ存在しないと考えることができます。つまり、インストールから99日目が当該アプリにおける“生涯”といえます。その場合、LTVの集計期間を99日と設定して算出が可能です。

もしくは、キリのよい「30日」「60日」などの日数で定義する方法もあります。自社の算出しやすい方法を試してみてください。

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まとめ

アプリ広告運用 主要 KPI

アプリ広告運用における主要なKPIを解説しました。KPIは、最終目標のKGI達成までの過程を可視化する、とても重要な指標です。リスティング広告やディスプレイ広告とはまた違った指標も含まれるため、混同しないよう注意しましょう。

本記事を参考に、ぜひ適切なKPIの設定をおこない、広告運用に役立ててください。

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