LinkedIn広告スタートガイド!種類、費用などの基礎から出稿方法までわかりやすく解説

編集部
LinkedIn広告スタートガイド!種類、費用などの基礎から出稿方法までわかりやすく解説

LinkedInはビジネス特化型のSNSで、特に海外には多くの利用者がいます。現在のところ、日本では知名度が低いメディアですが近年、ビジネスパーソンを中心に利用者が増えています。それだけに、広告の出稿先としてはさまざまな強みや可能性を持っているといえます。

この記事ではLinkedIn広告について、概要から出稿方法までを解説します。併せて利用に効果的なケースやポイントをわかりやすく解説していきます。

1.LinkedIn広告とは

LinkedIn広告とは

LinkedIn広告に触れる前に、LinkedInの解説をしておきましょう。LinkedInは2003年からサービスが始まったビジネス特化型のSNSで、2023年時点で7億人を超える人気メディアです。特に海外を中心にユーザーを増やしていますが、日本ではまだまだ知られていないメディアで、ユーザーも200万人程度にとどまっています。今後、ユーザーが増えることは期待されていますが、Facebookなど他のSNSに比べれば、メジャーとはいえないでしょう。

しかし、ビジネス特化型だけに、LinkedInのユーザーの投稿内容はプライベートなことが少なく、ビジネス関連のことがほとんど。LinkedInの利用者は、LinkedInを通じてビジネスチャンスを生み出したり、転職や採用に活用しています。LinkedIn広告は、そのLinkedInで広告を出稿できます。上で説明したようにビジネス特化型のSNSなので、余計な情報に邪魔されず、BtoB向けの広告に抜群の効果が期待できるでしょう。

また、LinkedInは広告のターゲットをビジネス関連の項目で絞り込むことができるようになっています。そのため、ターゲットの企業、役職に向けた広告の配信が可能です。これはLinkedIn独自の特徴で、他のSNSよりビジネス面に関して、圧倒的な精度でアピールできます。

LinkedIn広告は運用型広告です。リアルタイムで広告を配信しながら結果を得て、運用の改善を続けていくタイプの広告です。運用に手間がかかる分、結果として現れやすいという特徴があります。逆にいえば、LinkedIn広告に時間や労力をかけなければ、せっかくの広告予算も無駄遣いに終わってしまう可能性があります。LinkedIn広告の配信先は「タイムライン枠内・上部」、「タイムライン枠右側」、「メッセージボックス」の3つがあります。

2.LinkedIn広告の特徴

LinkedIn広告 特徴

Facebookなど他のSNSとは異なり、ビジネス特化型であることが特徴です。そのメリットを生かしたLinkedIn広告ならではの特徴は以下の3つになります。

ビジネスに積極的なユーザーが多い

LinkedInのユーザーの多くがビジネスパーソンです。そのため、ビジネスには積極的なユーザーが多くなるという特徴があります。特にBtoBにおけるビジネスに強いため、LinkedIn広告を活用している企業は多く存在します。

また、年齢層も若年者層は少ない傾向にあります。メインユーザーは30代半ば以降が多く、経営者や企業の役職者が多いことも特徴です。さまざまなことの決定権を持つ人が多いため、LinkedIn広告はBtoBマーケティングがおこないやすいといえます。

正確なターゲティングができる

LinkedIn広告では、ユーザーが登録した職種、勤務先、学歴など多くの情報を有しています。そのため広告を出稿するにあたり、精度の高いターゲティングができます。広告の配信効果が効率的になることが期待できます。

LinkedInは海外では名刺代わりに使われることも多くあるようです。登録情報を偽っている確率は格段にその他のSNSより少なく、登録情報を信用できるからと考えられます。その分、ターゲットの設定が簡単になるので、潜在顧客にピンポイントでアプローチしやすくなります。

少額の広告費で配信が可能

他の多くのSNSも同様ですが、LinkedIn広告でも初期費用がかかりません。気になる広告費は200円程度から。これは他のSNS広告と比較すると高く見えますが、LinkedIn広告はライバルが少なく、トータルでは安く済むケースがほとんどです。

立ち上げ間もないベンチャー企業などが数万円から試してみたいという場合にも適しています。インターネット広告では出稿金額が100万円近くかかる場合もあるため、お試しでLinkedIn広告を使ってみるのも有効でしょう。

3.LinkedIn広告の種類

LinkedIn広告 種類

LinkedIn広告には大きく分けて4種類あります。それぞれを以下で解説します。

スポンサードコンテンツ

LinkedInのタイムラインのフィードに表示される広告が「スポンサードコンテンツ」です。LinkedInのフィードには自分やつながっている人の投稿が表示されますが、LinkedIn広告はこれらに混じって表示されます。これは縦にスクロールすることで表示されるため、スマートフォン向きの広告といえます。LinkedInはスマートフォンで利用するユーザーが多いため、アクセスを稼ぐことができるメリットがあります。

スポンサードコンテンツに対応している広告フォーマットは5種類。シングル画像広告、カルーセル画像、動画広告、シングル求人広告、イベント広告です。

まず、シングル画像広告ですが、文字通り画像1つとテキスト、紹介テキスト、リンクで構成されています。カルーセル画像は単独のカルーセルのフォーマットで2~10枚の画像を連続表示できます。動画広告は動画、テキストで構成されます。15秒以上の動画は閲覧率がアップする傾向にあります。求人情報だけが掲載されるシンプルな広告がシングル求人広告。最大150文字のテキストが登録できます。イベント広告はフィードに表示され、文字通りイベントの宣伝ができる広告です。これも文字数は最大15文字以内です。

スポンサードInMail

LinkedInのメッセージに表示されるのが「スポンサードメッセージ」です。メッセージ型の広告で、メールのように表示されます。「スポンサードメッセージ」には、会話型広告とメッセージ広告があります。

ダイナミック広告

自社の広告ターゲットに合わせた広告を配信したいときに最適なのがダイナミック広告です。ダイナミック広告はスマートフォンやタブレットでは見ることができず、表示されるのはデスクトップだけ。また、スポンサードコンテンツやスポンサードメッセージと比較して、安い単価で配信できる特徴もあります。

ダイナミック広告の大きな特徴として、広告のターゲットに合致した個別設定ができる点。Aさんに対して「当社の新製品に興味ありませんか?」「うちの会社に入社を考えて見ませんか?」といった呼びかけができます。

テキスト広告

LinkedInフィードの上部や右側に、表示されるテキストを使ったシンプルな広告が「テキスト広告」です。ヘッドラインと画像、簡単なテキストだけで構成されています。これもモバイル端末では見ることができません。

4.LinkedIn広告の課金方式

LinkedIn広告 課金方式

LinkedIn広告にはインプレッション課金、クリック課金(PPC型)の2種類があります。出稿企業の予算はもちろん、広告目標に応じて、どちらかの選択が可能です。

オークション形式で広告の表示はおこなわれます。評価点は設定した金額×広告。最終的には最も勝った広告が表示されるようになっています。LinkedIn広告はライバルが少ないので、その他のSNSより安く勝てる可能性が高いです。

インプレッション

まずインプレッション課金ですが、該当の広告が1000回表示されるごとに課金されます。露出を広範囲に設定したい場合やブランドの周知を目指したい場合に最適でしょう。

ランディングページのクリック

文字通り、ランディングページをクリックするたびに課金されます。あとで解説する「エンゲージメントのクリック」や「動画の視聴」にも共通しますが、クリック課金ではユーザーがクリックするたびに200~500円程度の広告料が発生します。

エンゲージメントのクリック

ランディングページのほか、ソーシャルアクション(ソーシャルプルーフ)、LinkedInページやLinkedInページフォローのクリックなどがエンゲージメントのクリックに含まれます。それらをクリックすることで課金されるシステムです。

動画の視聴

動画広告は3秒から30分以内と幅広い時間が設定されています。あまり短すぎると閲覧数が伸びませんので、15秒以上の動画がおすすめ。課金されるのは画面の50%以上に動画を表示している状態で、連続して2秒以上再生された場合が該当します。

5.LinkedIn広告の出稿方法

LinkedIn広告 出稿方法

LinkedIn広告を出稿するには、どうすればよいのでしょうか。広告を出稿するまでの流れは「広告アカウントの作成」、「キャンペーングループの作成」、「キャンペーンの作成」、「オーディエンスの作成」、「広告フォーマットの選択」、「予算とスケジュールの設定」、「広告の作成」、「支払情報の設定」の8ステップです。

広告アカウントを作成する

まずは広告アカウントを作成しましょう。自らのLinkedInフィードを開き、右上の「その他」をタップすると、メニューバーが出ますので、「広告」を選んでください。すると、キャンペーンマネージャーの画面に切り替わりますので、アカウント名や通過など必要事項を入力します。

アカウント名は任意に設定が可能ですが、企業名とアカウント名を入れることが多いようです。通貨はクレジットカードを使用する場合のみ、日本円での設定が可能になっています。請求書払いの場合は、ドル建てになります。

キャンペーンマネージャーの画面の最下段には「LinkedInページをお使いのアカウントに関連付ける」という欄がありますが、ここには会社のLinkedInのURLを入力してください。そして右下の「アカウントを作成する」ボタンを押せば、完了です。

キャンペーングループを作成する

続いてキャンペーングループの作成です。このとき、おすすめは「任意のグループの作成」を選ぶと管理がしやすくなります。何も選ばないと「Default Campaign Group」に自動設定されますが、一度運用を始めてしまうと、他のグループに移動できなくなってしまうので、最初は慎重に決めましょう。

キャンペーンを作成する

キャンペーンはLinkedIn広告の目的やシチュエーションに合わせて設定してください。選択可能なキャンペーンの目的は、以下の7種類です。

  • ブランドの認知:自社の商品・サービスを多くの人に紹介できるメリットがあるので、ビジネスをたくさんの人に周知したいときに選択してください。
  • ホームページの訪問:自社のホームページによりい多くの人に訪問してもらいたいときに選択しましょう。ユーザーを誘導することで、広告の流入を増やすことが期待できます。
  • エンゲージメント:エンゲージメント数を向上させたいときはこれを選択します。
  • 動画視聴:LinkedInの機能で、動画を見そうなユーザーに広告が表示されますので、視聴者数を増やしたいときに効果的です。
  • リード獲得:ユーザーを誘導できますので、顧客が見込めそうなユーザーを獲得したい場合に選択してください。
  • WEBサイトコンバージョン:商品の販売数やサービス利用の会員登録者を獲得したい場合。該当する商品やサービスに興味を持ちそうな利用者に広告が表示されます。
  • 求人応募者:自社サイトの採用ページへの求人応募を促したい場合。自社の求人に興味を持ちそうな利用者に表示されます。

それぞれの目的に合致したキャンペーンを選ぶようにしましょう。

オーディエンスを設定する

キャンペーンの目的を選んだうえで、もっと細かくターゲットを設定したいときは「オーディエンス属性」で条件の追加が可能です。会社の規模や業種、社名、学歴、職務経験などでフィルタリングもできます。これらの条件を組み合わせて使用することも可能になっています。

以下の項目でフィルタリングが可能になっています。

会社 統計データ 学歴 職務経験 関心と特徴
会社の規模 年齢 出身校 スキル グループ
会社のカテゴリ 性別 学位 ポジション メンバーの特徴
会社名 専攻 社会人経験年数 メンバーの関心
会社成長率 職務タイプ
業種 職務レベル
社員のつながり

ただし、あまりにも属性を細かく設定するのには注意してください。オーディエンス数が少なくなると設定の完了ができなくなってしまいますので、少なくとも500のオーディエンス数は確保するようにしてください。

広告フォーマットを選択する

広告フォーマットは、選択済の「キャンペーンの目的」によって選択できるものが異なります。以下、一覧でまとめます。●のフォーマットに対応が可能です。

広告フォーマットの種類 ブランド認知 ウェブサイト訪問 エンゲージメント 動画視聴 リード獲得 ウェブサイトコンバージョン 求人応募者
シングル画像広告
カルーセル画像広告
動画広告
テキスト広告
スポットライト広告
メッセージ広告
フォロワー広告
会話型広告
求人広告
シングル求人広告

予算とスケジュールを設定する

全体的な予算や1日の予算の他、開始日などを入力します。1日の予算のは800円が最低額です。既定では「最適化の目標」はキャンペーンの目的に合わせて調整されるようになっています。そして、その目的に見合ったアクションをする可能性が高いユーザーに表示しています。もしも成果の目標金額が定めてあって、具体的な金額を入れたいときは「入札戦略」の項目に金額を入力してください。

続いてスケジュールの入力をします。「開始日と終了日を設定」か「キャンペーンを継続的に実施」のいずれかを選びます。前者はキャンペーン開始日、終了日を設定可能です。後者を選ぶと開始日のみが設定され、それ以降は継続的にキャンペーンが配信されるようになります。

「コンバージョントラッキング」のオプションで、コンバージョン設定やトラッキング用タグの設置ができるようになります。必要に応じて設定してください。コンバージョンタグの設定はメニュー部分の「アカウントアセット」をクリックしたあと、コンバージョンタグを設定してください。

広告を作成する

予算やスケジュールを設定したら、「保存して続行」を押してください。すると画面が切り替わり、中央に「キャンペーン広告を作成しましょう」というメッセージが現れます。新たな広告を作成する場合は「新規作成」を選び、実際のテキストや画像などの内容を確認し、「次へ」をクリックしてください。広告画像には制限があり、2MB以下のjpgかpngファイルでサイズは100×100ピクセルです。また、広告のヘッドラインは見出しのことで、ターゲットの目を引くものなのでよく考えてつけるようにしてください。

なお、一度選んだ言語は変更ができなくなります。もしも変更するときは新たなキャンペーンを作成する必要があるため、注意しましょう。

支払い設定をする

最後に入力するのが「ビジネス情報」や「支払い方法」です。支払い情報は、画面右上の歯車マークを押すと「お支払いセンター」の項目が出ますので、クレジットカードの情報を入力します。使用可能なクレジットカードはAmerican Express、Mastercard、Discover、Visa、Diners Club、JCBの7種類です。

これで入力は完了しましたので、広告の配信が可能になります。審査も通常は24時間以内に終わります。最後に審査に通ったかを確認してください。通らなかった広告は「非承認」、「却下」と表示されています。

6.LinkedIn広告が効果的なケース

LinkedIn広告 効果

LinkedIn広告で効果が期待できるのは、以下の3つが挙げられます。

BtoB商品のプロモーション

まず、BtoB向け商品のプロモーションです。LinkedInは企業のアカウントも作成可能ですので、自社のフィードで商品やサービスの紹介をおこなえば、そこからプロモーションにつながるでしょう。LinkedInの利用者はビジネスパーソンが大多数ですから、BtoB商品のプロモーションは特に効果が期待できます。

イベントやセミナー関連の集客

LinkedInの自社ページにプレスリリースやイベントの開催情報を掲載する企業は多くあります。これに加えて、LinkedIn広告で情報発信すれば、イベントなどの情報を発信して集客につなげることができるでしょう。ユーザー同士で情報を共有できるので、ビジネスパーソン同士のつながりを持っておくとさらに効果が期待できます。

企業の求人掲載

LinkedIn広告を採用に利用するのも効果的。LinkedInのユーザーは職歴や資格などのプロフィールを充実させていることが多いので、求める人材にアプローチしやすい強みがあります。特に特定の経験や資格を持っている人を探すときには重宝するでしょう。

7.LinkedIn広告を利用するうえでのポイント

LinkedIn広告 ポイント

LinkedIn広告を利用するうえでのポイントを以下でまとめます。

ターゲティング言語に英語を選択する

まず、ターゲティング言語を英語にします。日本語を選んでしまうと、ユーザー数が限定されてしまいます。英語圏以外でLinkedIn広告を展開する場合でも英語が推奨されます。日本でターゲティング言語を日本語と英語で比較したデータを見ると、日本語の場合はリーチしたユーザーが200万人だったのに対して、英語の場合は300万人獲得したことが明らかになっています。

デバイス別の配信データの確認はできない

Facebook広告では、広告の配信に際してデバイスの指定が可能ですが、LinkedIn広告ではそれができません。配信後のレポートでも、デバイスごとの結果を見ることができないので、注意してください。

1つのキャンペーンに対して広告フォーマットは1つのみ

Facebook広告には9つの広告フォーマットがありますが、1つのキャンペーンに使用できるのは1種類のみですので、注意が必要になります。

キャンペーンに紐付けたLinkedInページは変更不可

LinkedIn広告では、LinkedIn広告アカウントをLinkedInページへの紐付けることが必要になります。しかもキャンペーンに一度紐付けたLinkedInページは変更ができません。もしも変更を望む場合は、新たなキャンペーンを作らなければなりません。LinkedInページを複数管理している場合は、混乱しないように注意が必要でしょう。

まとめ

LinkedIn広告 基礎 出稿方法

LinkedInは日本では利用者が少なく、マイナーなSNSかもしれません。とはいえ、世界中では多くのビジネスパーソンが利用しているSNSです。それだけにそこに広告を出稿することで、特に海外向けには大きな効果が期待できるでしょう。

ただ、LinkedIn広告には種類や課金方法が複数あり、慣れないうちは迷うこともあるかもしれません。そんなときは、この記事を参考にして、効率のよい運用を目指してください。

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編集部

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