WEB広告のなかでも比較的低予算から始められるリスティング広告は費用対効果が高く、多くの企業に利用されています。しかし、リスティング広告で成果を得るには、正しい知識と運用法を知るのが重要となってきます。
そこで本記事では、リスティング広告の2つの運用方法「自社運用」と「代理店運用」のメリットやデメリット、選ぶ際の比較ポイントを解説します。
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目次
リスティング広告における自社運用と代理店運用とは
リスティング広告のパフォーマンスは、広告運用者のノウハウやスキルに応じて変化するため、「誰が広告を運用するのか」を先に決めておく必要があります。
リスティング広告の運用には、大きく2つの選択肢があります。
- 自社運用:自社で担当者を決めて運用
- 代理店運用:広告代理店に依頼して運用
運用方法を決めるためにも、自社運用と代理店運用、それぞれのメリットとデメリットを整理しておきましょう。
リスティング広告を自社運用するメリットとデメリット
ここからは、リスティング広告を自社運用する際に、どのようなメリットとデメリットがあるのかを解説します。
自社運用する際のメリット
リスティング広告を自社運用するメリットは大きく4つあります。
- 手数料などのコストを削減できる
- 運用ノウハウを社内で共有できる
- 運用がスムーズにおこなえる
- 予算を自由に調整できる
1.手数料などのコストを削減できる
リスティング広告を自社運用にすると、代理店に依頼した際に発生する手数料などのコストを削減できます。手数料などのコストを削減できれば、その分を広告費にまわせるようになります。
2.運用ノウハウを社内で共有できる
自社でリスティング広告を運用すると、運用ノウハウが蓄積され、社内共有できるようになります。長期的に運用すれば、他の事業にも横展開でき、自社の財産となります。
3.運用がスムーズにおこなえる
リスティング広告を自社運用することで、広告運用がスムーズになります。自社運用は必要な情報を必要なタイミングで共有できるため、急な方針転換があってもスピーディかつ柔軟に対応できます。
4.予算を自由に調整できる
リスティング広告を自社運用すれば、予算を自由に調整できます。代理店運用は最低予算が設定されていますが、自社運用であればそのような縛りがないので、低予算からでも運用できます。
自社運用する際のデメリット
リスティング広告の自社運用には、以下のようなデメリットがあります。
- 人件費や育成費にコストがかかる
- 情報の収集に時間がかかる
- 場合によっては成果が得られないことがある
- 担当者が変わる際に引継ぎが必要になる
1.人件費や育成費にコストがかかる
自社運用の場合、手数料などのコストは発生しませんが、社員の人件費がかかります。自社運用の担当者のスキルが不十分な場合は、人件費以外に教育費なども必要ですが、中長期的な視点で見れば自社運用のほうがトータル的に安く済むでしょう。
2.情報の収集に時間がかかる
リスティング広告を自社運用するには常に最新の情報を収集する必要があるため、リサーチや情報収集に多くの時間を費やさなければいけません。情報収集の時間をできるだけ節約するためにも、リスティング広告媒体に詳しい担当者とこまめに連絡を取り合うようにしましょう。
3.場合によっては成果が得られないことがある
自社運用によるリスティング広告の成果は、担当者のノウハウやスキルによって大きく左右されるため、場合によっては想定した成果が得られない可能性があります。自社運用の経験がない場合は特にこのような状況におちいりやすいので、担当者のスキルが上がるまで根気強く継続するか、リスティング広告の運用経験者を雇用して対処しましょう。
4.担当者が変わる際に引継ぎが必要になる
リスティング広告を自社運用すると、担当者が変わる際に引継ぎが必要になります。リスティング広告の運用スキルを身につけるまでにはある程度の時間がかかり、引継ぎ内容によっては成果が大きく下がることもあるので、属人化しないようにしっかりマニュアルに落とし込んでおきましょう。
リスティング広告を代理店依頼するメリットとデメリット
続いて、リスティング広告を代理依頼する際にどのようなメリットとデメリットがあるのかを解説します。
代理店依頼する際のメリット
リスティング広告を代理店に依頼するメリットは5つあります。
- 短期間で成果を出す事ができる
- すべての運用業務をおこなってくれる
- 広告運用における最新の情報が入手できる
- WEBマーケティングに関する相談にも幅広く対応してくれる
- 認定代理店だけが利用できる特典が使える
1.短期間で成果を出す事ができる
代理店に依頼すると効果的な運用ができるので、短期間で成果を出せるようになります。代理店は今までのノウハウだけでなく、最新の技術やトレンドをおさえているため、「成果の出やすさ」という点では代理店に任せたほうが効率的です。
2.すべての運用業務をおこなってくれる
代理店によるリスティング広告運用は、基本的にすべての業務を代理店がおこなってくれるので、リソースに余裕がない企業にとっては大きなメリットになります。また、広告運用に関する業務をすべて任せられるので、自社に広告運用の人材がいなくても広告運用ができます。
3.広告運用における最新の情報が入手できる
多くのクライアントの広告運用を取り扱う代理店は常にアンテナをはっているため、リスティング広告の最新情報が手に入ります。そのため、広告代理店を活用すれば、わざわざセミナーに参加したり、書籍を購入する必要もなくなります。
4.WEBマーケティングに関する相談にも幅広く対応してくれる
広告代理店はリスティング広告運用以外にも、マーケティングに関する相談なども幅広く対応しています。リスティング広告の運用をはじめ、SNS広告の運用、ランディングページの改善など、WEBマーケティングに関するさまざまな依頼をまとめて相談することで、より効果的な運用ができるようになるでしょう。
5.認定代理店だけが利用できる特典が使える
広告運用を依頼する代理店が媒体から認定を受けた代理店であれば、認定代理店だけが利用できる特典を活用できます。例えば、ヤフーの認定代理店のなかには審査エクスプレスパスを保有している代理店があり、この特典を保有している代理店は広告出稿前の審査をパスして出稿できるので、スピーディーに広告を出稿できます。
代理店依頼する際のデメリット
リスティング広告を代理店に依頼すると、以下のようなデメリットがあります。
- 運用代行手数料が発生する
- 運用ノウハウが社内に残らない
- 広告運用を途中で止めることができない
- 成果が出る保証はない
- 対応に時間がかかる
1.運用代行手数料が発生する
広告運用を代理店に依頼すると、運用代行手数料が発生します。ただし、代理店が持つノウハウとスキルが手数料に見合った利益を得られれば無駄な出費にはならないので、費用に見合った成果が得られているかを評価するのが重要です。
2.運用ノウハウが社内に残らない
代理店に依頼すると、リスティング広告の運用のほとんどを代理店に任せるため、社内に運用ノウハウが残りません。広告運用のノウハウを社内に残したい場合は、インハウス支援をしている代理店を利用しましょう。インハウス支援を受けられれば、広告運用を代行してもらいつつ、自社に広告運用のノウハウを蓄積できます。
3.広告運用を途中で止めることができない
リスティング広告の運用代行は、月単位の契約になるため、途中で広告運用を止めることができません。契約途中で解約したり、運用を止めると違約金や手数料の補填が必要な場合があるので、注意しておきましょう。
4.成果が出る保証はない
リスティング広告を代理店に依頼したからといって、確実に成果が出る保証はありません。その道のプロでも失敗してしまうことはあるので、そのリスクを減らすためにも、代理店の広告運用実績やその詳細を直接見せてもらえるよう交渉してみましょう。
5.対応に時間がかかる
代理店に広告運用を依頼すると、急を要する対応に時間がかかる場合があります。代理店は他にもクライアントを抱えているため、依頼のタイミングによっては対応完了までに予想以上の時間がかかることも覚悟しておく必要があります。
※関連記事: リスティング広告の運用代行とは?手数料の費用相場と選び方のポイント
自社運用と代理店依頼で比較すべきポイント
ここまで解説した自社運用と代理店依頼のメリットとデメリットを踏まえて、リスティング広告運用で比較すべきポイントは次の5つです。
- 成果が出せるのはどちらか
- 広告出稿に費やす費用
- 運用コストに余裕があるか
- データやノウハウを保持するかどうか
- 運用期間が明確かどうか
成果が出せるのはどちらか
広告運用の目的は、広告からの収益を最大化することです。短期間で成果を求めたい企業は代理店に運用を任せるのが効果的ですが、代理店に運用を任せれば確実に成果が出るわけではありません。代理店によっては業界や商材の調査もせず、経験や思い込みで業務を進めてしまい、思った成果を得られない可能性があります。
一方、未経験者が一からリスティング広告運用を始めようとすると、どうしても成果が出るまでに時間がかかってしまいます。しかし、広告運用経験者を雇ったり、一定期間広告代理店のサポートを受ければ、中長期的な成果を得ることができます。
広告出稿に費やす費用
広告運用を自社で運用すると代理店に支払う手数料がなくなり、その分を広告出稿にまわせるようになります。ただし、代理店に支払う手数料がなくなっても、実際にリスティング広告を運用するための管理費用はかかります。
例えば、各担当者の人件費や採用費、広告の成果を継続するためのマネジメントコストなども必要となってくるので、広告費以外のコストもしっかり考えるようにしましょう。
※関連記事: リスティング広告の費用の決め方とは?効果な方法や予算相場を解説
運用コストに余裕があるか
代理店に支払う手数料は、通用予算の20%が相場と言われています。仮に年間5,000万円のリスティング広告を運用した場合、代理店に1,000万円を支払う計算になるので、運用コストに余裕がない企業は中長期視点で広告運用するほうがよい結果が出やすいでしょう。
また、広告予算が少額の場合、代理店によってはお断りされたり、優秀なスタッフをアサインされないケースもあるので、運用コストは余裕を持つようにしてください。
データやノウハウを保持するかどうか
リスティング広告の運用を代理店に任せると、予算の割り振りやクリエイティブのチェック、レポートなどは受け取れますが、実際に取り組んだ施策を把握できないことがあります。加えて、広告代理店は競合他社の広告運用を取り扱っていることもあり、マーケティング施策で他社と差別化するのが難しいケースがあります。
一方、自社運用はデータやノウハウを蓄積するまでに多くの時間を要しますが、広告運用を通して膨大なデータを社内に貯めこめるので、独自のマーケティング施策がおこなえます。他社との差別化や自社の資産を重視している企業は、データやノウハウの保持ができる自社運用を選択するとよいでしょう。
運用期間が明確かどうか
リスティング広告を運用するにあたり、自社運用、代理店運用、それぞれの運用期間が明確なのかを確認しましょう。リスティング広告は運用を開始してもすぐに成果がでない場合があるため、多くの広告代理店には最低契約期間が設けられています。
そのため、代理店に広告運用を依頼するときは、契約期間に合わせて途中解約の可否、違約金の詳細などを確認しておくとよいでしょう。
自社でリスティング広告を運用する際は、あらかじめ撤退ラインを決めるのが重要です。中長期的な視点を持つことは大事ですが、効果の出ない広告を出稿し続ければ、それは無駄な費用となってしまいます。自社運用がうまくいかなかった場合は、代理店のサポートサービスなどをうまく活用して再スタートしてみるとよいでしょう。
自社・代理店のどちらで運用していてもOK。
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まとめ
リスティング広告における自社運用と代理店運用のメリットやデメリット、運用方法を選ぶ際の比較ポイントを解説しました。
リスティング広告の運用は会社の方針やリソースが大きく関わってくるため、どちらの方法が自社に適しているかはケースバイケースとなりますが、運用方法を決める際は本記事で紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。
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