リスティング広告の運用代行とは？手数料の費用相場と選び方のポイント

「リスティング広告を運用しているけれど、思うような成果が出ない」「自社に広告運用のノウハウがなく、どう始めればいいかわからない」そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。自社運用に限界を感じている、効果的な広告運用を目指したい、という場合、運用代行を検討するのがおすすめです。

本記事では、リスティング広告の運用代行について、その仕組みやメリット、そして気になる費用の相場まで詳しく解説します。リスティング広告の運用代行について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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リスティング広告の運用代行とは

リスティング広告とは、検索結果に連動して表示される広告のことで検索連動型広告とも呼ばれています。クリックされたときだけ料金が発生するため、予算の範囲内で広告を運用できたり、ユーザーの興味関心の高いタイミングで広告の配信が可能です。このリスティング広告の運用業務を委託できるのが運用代行会社です。

リスティング広告運用代行会社に依頼できる主な業務は以下のとおりです。

広告配信までの準備と広告の運用に分け、それぞれどのようなことをしてくれるのかを以下で紹介します。

広告配信までの準備をしてくれる

広告配信までには下記の準備が必要です。

アカウントは利用者の情報のことで、1企業につき1アカウントが必要です。アカウント登録では、ログインメールアドレス、パスワード、支払い情報を設定します。

また、リスティング広告の階層は、アカウント＞キャンペーン＞広告グループ＞広告・キーワードで構成されています。運用代行会社では、アカウント開設と併せて、このアカウント構成もおこないます。このほか、広告のキーワード選定、広告文、入稿作業など、広告配信のために必要な準備をワンストップでの対応が可能です。

リスティング広告を入稿する方法については、こちらの記事でエディターの使い方から注意点までわかりやすく解説しています。

広告の運用をしてくれる

広告運用会社では、広告配信後の「広告運用」にも対応しています。

主に以下の対応が可能です。

広告運用では、効果を測定しながら、広告効果の改善をおこないます。

広告の運用代行を依頼するメリット

リスティング広告を運用代行会社に依頼するメリットは、以下の2つが挙げられます。

それぞれ詳しく解説します。

成果が出やすいので初心者向き

リスティング広告の運用代行をプロに依頼することで、成果を上げやすいというメリットがあります。リスティング広告にはさまざまな設定項目が存在し、どの要素を調整すれば効果的な成果につながるのか、初心者にとっては難しい点が多いでしょう。

プロにはリスティング広告運用の専門的なスキルや深い知識、長年の経験があるため、短期間での成果達成を可能にします。一方、自社で一から運用を始める場合、成果が出るまでに相当な時間と労力を要する可能性が高いです。

自社運用も選択肢の一つですが、社内に広告運用の経験がない場合、まずはプロに依頼しながらノウハウを学ぶことをおすすめします。そうすることで、専門家の知見を吸収しつつ、将来的には自社で効果的な運用ができるようになります。

広告配信のノウハウが身につく

リスティング広告の運用代行会社を活用すれば、WEBの知識が少ない企業でも、専門的な知識や最新情報に基づいた広告運用が可能です。リスティング広告の運用代行会社が長年にわたり培ってきたノウハウを活かし、効果的な広告運用を提供しています。

さらに、GoogleやYahoo!JAPANなどのプラットフォームでは、最新の広告ツールや情報を認定業者に優先的に提供しています。そのため、認定業者に運用を依頼することで、より効果的なリスティング広告の運用が可能となるでしょう。

自社のリソースを節約できる

広告運用を代行会社に依頼することで、自社の貴重なリソースを大幅に節約できます。

リスティング広告の運用は、多くの時間と労力を要する複雑なプロセスです。特にGoogle広告を運用している場合、ディスプレイ広告や動画広告などのクリエイティブなタスクも含まれるため、これらを自社ですべて対応するには相当なリソースが必要です。

代行会社を活用すれば、広告運用に関わる多くの業務は専門家に任せ、その分本来のコア業務に集中できるようになります。結果として、全体の生産性が向上し、ビジネスの成長につながるでしょう。

リスティング広告の運用代行費用の種類と相場費用

リスティング広告の運用を代行会社に依頼する際は、費用構造を理解しておくことが重要です。

一般的に、代行費用は大きく分けて二つの要素から構成されています。一つは広告運用を開始する際に発生する初期費用、もう一つは継続的にかかる運用代行手数料です。これらの費用は、運用代行会社によって、また依頼内容や広告規模によっても異なりますが、一定の相場が存在します。

ここでは、初期費用と運用代行手数料について、それぞれの特徴と一般的な相場を解説します。

初期費用

初期費用の相場は、3~10万円程度です。リスティング広告を運用するアカウントを準備するための費用で、運用代行会社によって初期費用がかかるケースがあります。

初期費用に含まれるものとして、以下の業務が挙げられます。

これらは代行手数料に含まれるケースと、初期費用として請求されるケースとがあるため、事前に確認しておきましょう。

運用代行手数料

運用代行手数料の費用相場は、広告費の20％です。例えば、広告の運用額が10万円だった場合、運用代行手数料は、2万円となります。

さらに運用代行会社によっては、手数料の最低金額を定めているケースがあります。手数料の最低金額の費用相場は、月5万円程度です。

運用代行手数料に含まれるものとして、以下の業務が挙げられます。

また、運用代行手数料は、運用代行会社やプランによって変わるケースがあるものの、主に

次の3つの料金形態に分けられます。

手数料率型	広告の運用額に応じて手数料が変動する
手数料定額型	広告の運用額のステージごとに手数料が変動する
手数料成果報酬型	運用成果に応じて手数料が変動する

それぞれどのようなものか、メリットやデメリットと併せて紹介します。

手数料率型

手数料率型とは、広告の運用額に応じて手数料が変動する料金形態のことです。

一般的に手数料率は10％?20％であることが多く、例えば、広告費が100万円で手数料率が20%の場合、手数料は20万円となります。

メリット	広告運用の実施分に対してのみ手数料が発生する
デメリット	成果が出なくても手数料がかかる

メリットとしては、広告運用の分だけしか手数料がかからないため、コストが抑えられる点が挙げられます。一方で、成果関係なく手数料が発生してしまう、などのデメリットもあります。

手数料定額型

手数料定額型とは、広告の運用額のステージごとに手数料が変動する料金形態のことです。

例えば、広告の運用額20万円までは3万円、21?40万円は5万円、というように運用額のステージごとに定額の手数料が設定されています。

メリット	手数料料率型と比べて安くなることがある 広告の運用額が多少増えても、ステージの範囲内で手数料は変わらない
デメリット	運用額のステージを上げるように提案される可能性がある

メリットとしては、手数料率型と比べて安くなることがある点と、広告の運用額が多少増えても、ステージの範囲内であれば手数料は変わらない点が挙げられます。

一方、ステージの範囲内で手数料が変わらないため、運用代行会社にとってはできるだけ上のステージで運用できるのがベターです。最初から運用額のステージを上げるよう提案をする運用代行会社も存在するため注意しましょう。

手数料成果報酬型

手数料成果報酬型とは、運用成果に応じて手数料が変動する料金形態（目標CPA×CV数）のことです。

例えば、目標コンバージョン単価が5,000円でコンバージョン数が50件の場合、手数料は25万円となります。

メリット	成果が発生しなければ手数料はかからない
デメリット	成果発生に対しての手数料が高く設定されることが多い CVが実際の売上につながらない項目に設定されることがある

この料金形態の特徴は、成果が発生しなければ手数料はかからない点です。そのため、ノーリスクで始められるメリットがあります。

一方で、成果が発生した際の手数料が高く設定されていることが多く、売上が伸びても利益が取れないなどの事態に陥るケースもあります。

また、運用代行会社によっては、実際の売上に?がらない「資料請求」や「お問い合わせ」をCVとされることもあるため、注意が必要です。

ランディングページ制作費用

ランディングページ（LP）制作費用の相場は、一般的に10万円から100万円と幅広いのが特徴です。デザイン性の高さやWEBマーケティングを本格的におこないたいなどの要望があるほど、費用も高額になる傾向にあります。

LPとは、リスティング広告をクリックしたあとにユーザーが最初に訪れるページを指します。多くのリスティング広告運用代行会社が、広告運用サービスに加えてこのLP制作にも対応しています。

ユーザーはLPを見て商品の特徴や価格を把握し購入を検討するため、売上につながる重要な要素となります。そのため、広告運用と併せてLP制作もプロに任せるのも一つの手です。高品質なLPは、広告効果を最大化し、投資対効果（ROI）の向上に役立ちます。

広告運用レポート制作費用

広告運用レポート制作費用の相場は、1回のレポート作成につき1?5万円程度です。

広告運用レポートは、広告運用の現状を分析し、将来の戦略を立てるうえで重要なツールです。このレポートにより、「月別」「日別」「曜日別」に「何が」「どの程度」「増加/減少」したのかを明確に把握できます。これらの情報は、数値変動の原因を探り、次月の広告運用施策を改善するための基礎となります。

一般的には、広告運用レポート制作費用は運用代行手数料に含まれています。しかし、一部の運用代行会社ではオプションサービスとして別途料金を設定している場合があります。広告運用代行サービスを選ぶ際は、広告運用レポート制作費用が含まれているかどうかを事前に確認しておくとよいでしょう。

コンサルティング費用

コンサルティング費用の相場は、オプション料金として設定される場合、1回につき1?5万円程度です。ただし、多くの場合この費用は運用代行手数料に含まれています。

コンサルティング費用とは、ミーティングの場を設けて、現在の運用状況について説明・共有するときに発生する費用のことです。現状把握以外にも、目標を達成するための戦略立案からターゲットユーザーの見直しまで、運用のブラッシュアップには欠かせないものとなります。

また、新型コロナウイルスの影響で、従来の訪問形式に加えてリモートによるコンサルティングも増加しており、より柔軟な対応が可能になっています。

※関連記事：リスティング広告の費用の決め方とは？効果な方法や予算相場を解説

広告運用代行会社を選ぶ際のポイント

広告運用代行会社を選ぶポイントは、以下の5つです。

それぞれ詳しく解説します。

運用代行会社の得意分野が自社の目的に合っているか

広告運用代行会社の選定は、多様な業務に対応することが一般的ですが、各代行会社が得意とする分野は異なります。各社の得意分野を確認して自社の広告配信の目的にマッチする代行会社に依頼するようにしましょう。

例えば、低価格帯の商品に強い代行会社もあれば、高額商品に特化した運用代行会社も存在します。同様に、業界によっても得意な分野が異なり、美容や健康食品、不動産などさまざまなものがあります。特に化粧品や医薬部外品、健康食品などの商材は薬機法などの法律面での制約があります。そのため、業界に詳しい運用代行会社に依頼することが望ましいです。

ただし、条件をあまりに細かく設定すると、適切な運用代行会社を見つけるのが難しいこともあります。その際は、「特定の業界に強くなくても、月額20万円から依頼できる運用代行を探す」など、条件を少し緩めて探すことも検討しましょう。

要望に沿った提案をしてくれているか

運用代行会社を選ぶ際に大切なのは、提案内容が自社のニーズに合っているかどうかを確認することです。まず、運用代行会社が自社の課題や目標を理解しようとしているかどうかを確認しましょう。

さらに、代行会社が戦略的な提案をおこなってくれるかも大切です。どのような戦略を用いて成果を上げられるのか、予算をどのように活用することが効果的かなど、具体的なアプローチや計画が示されているか確認します。

また、専門的な用語や知識をわかりやすく説明してくれるかどうかも大切です。広告運用に関する情報や提案がわかりやすく、透明性のあるものかも見極めの判断材料となります。提案の段階で疑問が解決されない場合などは、他の運用代行会社に相談することも考えてみましょう。

最低契約期間はどれくらいか

リスティング広告の運用代行を依頼する際、効果検証のために「最低契約期間」が設けられていることがほとんどです。

どのキーワードや広告文が効果的か、どのように設定すれば成果が上がるのかなど、広告の効果は、実際に配信を開始してみないと把握できません。この最低契約期間の設定は運用代行会社によって異なります。

一般的には1ヵ月から6ヵ月程度ですが、具体的な契約期間は会社によって異なります。最低契約期間を過ぎるまでは解約できない場合が多いため、必ず事前に確認し、行き違いのないようにしましょう。

広告アカウントの開示に応じてくれるか

広告運用アカウントの開示は、運用代行会社によっておこなわれないことがあります。自社で確認ができないと、運用内容がブラックボックス化し、自社でのノウハウ蓄積が難しくなるデメリットがあります。

将来的に広告運用を自社でおこないたい場合、アカウント開示に応じてくれる代行会社に依頼を検討しましょう。現状の数字を把握することで、社内でもデータを蓄積し、今後の戦略への活用が可能です。

また、運用の透明性の確保の点でもアカウントの開示に応じてくれる運用代行会社を選ぶことをおすすめします。

担当者1人に対する受け持ち件数はどれくらいか

担当者1人に対する受け持ち件数は、その会社が自社の広告運用にどれだけのリソースを割いてくれるかの目安となります。一般的には、担当者1人あたり5社くらいを割り当てているケースが多いです。

ただし、担当者1人あたりの受け持ち案件数は開示されていないこともあります。そのため、事前に問い合わせや見積もりの段階で、担当者の案件数を確認しておくとよいでしょう。

広告運用代行を利用するメリット、デメリットなどはこちらの記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。

広告運用代行会社に依頼前に自社で決めておくこと

広告運用代行会社に依頼する際は、広告に関する共通認識を自社内で持っておくことが重要です。そうすることでやり取りがスムーズになり、よりよい結果につながります。打ち合わせ前に決めておくべきこととして、次の2点が挙げられます。

それぞれ解説します。

目的の明確化

広告運用を依頼する前に、「なぜ自社が広告を活用するのか」という根本的な目的を明確にしておく必要があります。広告は単なる費用ではなく、企業にとっての重要な投資です。そのため、広告運用によって得られる具体的なリターンを意識することが重要です。

販売促進やブランド認知の拡大などさまざまな目的がありますが、曖昧なままでは効果的な広告戦略を立てることは難しいでしょう。明確な目的があってこそ、適切な広告設計が可能となり、結果として投資に見合った成果を得ることができます。自社内で十分に議論を重ね、広告運用の具体的な目的を定義しておくことが大切です。

KPIの設定

依頼する前は、広告成果の指標となるKPIを設定しておくことも重要です。KPIは広告の目的に直結し、その達成度を客観的に評価できる指標でなければならず、設定には慎重さが求められます。

例えば、ECサイトの売上アップが目的の場合、単純に新規顧客獲得数だけをKPIにすると、顧客生涯価値（LTV）の低い顧客ばかりを集めてしまう可能性があります。適切なKPI設定には、事業目標との整合性やコストとのバランス、リピート率、顧客満足度など、多角的な視点が必要です。

広告運用やマーケティングの経験が限られている場合、適切なKPI設定は難しい課題となります。そのため、運用代行だけでなく、戦略設計をサポートしてくれる広告運用代行会社と連携しながらKPIを決定することが望ましいでしょう。

リスティング広告の運用代行を利用するうえでよくある質問

ここでは、リスティング広告の運用代行を利用する際に、よくある3つの質問を取り上げて解説します。ぜひ、参考にしてみてください。

Q1.運用代行の手数料は定額型・料率型・成果報酬型のどれがいいの？

運用代行の手数料は、広告の目的や予算によるため、一概にこれがよいというものはありません。それぞれのメリットデメリットを把握し、自社の広告運用に最適な手数料タイプを選ぶとよいでしょう。

広告予算が決まっている場合は、次の目安を参考にしてください。

Q2.代理店との契約前に注意することは？

代理店との契約前は、最低契約期間と中途解約の条件を確認しておくことが大切です。多くの場合、最低契約期間が過ぎるまで途中解約は難しいため、注意する必要があります。最低契約期間は代理店によって違いますが、3?6ヵ月くらいのケースが多いです。

ただし、なか方には1年間の運用継続を必須とする代理店もあり、途中で辞める場合に高額な違約金が必要になることもあります。トラブル防止のため、費用面だけでなく、これらの条件もしっかり確認しておくことをおすすめします。

Q3.リスティング広告の効果が出るまでどれくらい？

リスティング広告の効果が現れるまでの期間は、業種やターゲットキーワードによって異なりますが、一般的には3?6ヵ月程度です。この期間は、広告キャンペーン初期段階の重要なデータ収集と最適化のプロセスとされています。

効果を最大化するためには、広告出稿後も継続的な改善が不可欠です。クリック数、コンバージョン率、CPA（獲得単価）、ROAS（広告費用対効果）などの指標を用いて成果を測定し、データを綿密に分析することで、効果的な改善策を講じていくことで、コンバージョンの向上につなががります。

運用代行サービスを利用する場合、専門家がこれらのデータ分析をおこない、PDCAサイクルを回すことで、より効率的な広告運用が期待できます。

まとめ

リスティング広告の運用代行は、専門家のスキルを活用して効果的な広告運用を実現する方法です。初期費用や運用代行手数料など、費用構造を理解し、自社に適した料金プランを選択することが重要です。

運用代行会社を選ぶ際は、得意分野や提案内容、契約条件などを慎重に検討しましょう。また、自社の広告目的やKPIを明確にしておくことで、よりよい成果を得られます。運用代行を検討する際は、ぜひ今回の記事を参考にして選んでみてください。