WEBマーケティングあるある「右肩上がりのシミュレーション」って意味あるの?稟議のためのシミュレーションとか現実離れしたシミュレーションはやめませんか?

香取
シミュレーションはいつも右肩上がり

WEBマーケティングに従事する「シミュレーション」に苦労するみなさん、こんにちは!

勘のよい方ならタイトルを見ただけで、「あ、あれかな??」と察した方も多いのではないでしょうか。
WEBマーケティングといっても、GoogleやYahoo!に代表されるリスティング広告やディスプレイ広告、FacebookやInstagram、Twitterなどを駆使したSNSマーケティングなど、さまざまなWEBマーケティングの手法はあります。

どのプラットフォームを使うにしても、有料広告を導入するとなると避けて通れないのが「シミュレーション」かと思います。
今回は、WEBマーケティングで必ず出てくる「シミュレーション」について書きたいと思います。

WEBマーケティングにおける「シミュレーション」とは?

一般的には、

月間で●●円ほど広告費用をかけたら、クリック数や問い合わせはどれくらい期待できるかな?

1ヶ月でそれくらい見込めるなら、半年、1年後までシミュレーションだせるかな?

では、来週の月曜日までに1年先までのシミュレーションもらえるかな?

このようなやりとりから、シミュレーションを作る約束が交わされているのではないでしょうか。

「シミュレーション」ってあったほうがよいの?

シミュレーションを一言でいえば、

「計画がうまく進みそうか」を見るためのものです。

そして計画が進み、過去につくったシミュレーションに結果を書き加えていく段階になれば、「計画がうまくいったのか」「どのくらい計画と差があるのか」を振り返ることができます。

ですからもちろんあったほうがよいでしょう。当然ですね。

その「シミュレーション」は何のため?

そんな大事なシミュレーションですが、3つのパターンがあると感じています。

  1. 今の状況から考えた場合、今後どんな結果になりそうか?」を見通すためのシミュレーション
  2. 社内稟議を通すために、上長が納得しそう」なシミュレーション
  3. 成果にコミットしますよ」という強気な雰囲気を出してアピールするためのシミュレーション

少し補足します。

1は、無理なく冷静に少しだけ先を見据えたシミュレーション(事業の継続性を見るため)

2は、上長にOKをもらうためのシミュレーション(時間の省略・稟議を円滑にすすめるため)

3は、誰かと競い合う場面で、自分を指名してもらうためのシミュレーション(自己アピール)

そんな感じの3タイプが目に付きます。
どんな人でも、状況や立場によってどれも使い分けていると思います。

でも、どんなシミュレーションをつくるにしても、注意しないといけないことがたくさんあります。

たとえば、「1年365日を考えてないシミュレーション」

1月より2月の方が目標値や予測値が高いシミュレーション

2月は28日までしかありません。1月に比べると3日間も少なく、割合にすれば1月よりも10%も日数が少ない。
それなのに、2月の数値のほうが1月を上回るシミュレーションをよく見かけます。

もし、1月、2月が同じ数値だったとしても、日数が少ない分だけ実質10%も上回っているということになります。
なにもしないのに、1月より2月のほうが10%も上回るなんてことはまずありえませんよね。

たとえば、「人口を考えていないシミュレーション」

ターゲット(販売したい相手)の数を、あっという間に超えてしまうシミュレーション

仮に、47都道府県の知事をターゲットにしたサービスを販売するとしたら、ターゲットは47人。各都道府県に1人しかいません。

1月から毎月5件のコンバージョンをしたら、10ヶ月目で50コンバージョンを超えてしまう。
それなのに、11月、12月も5件ずつ、あるいはそれ以上コンバージョンが取れるシミュレーションを作りますか?
作りませんよね笑

シミュレーション通りの数値を期待するなら、日本の都道府県の数が増えるか知事の数が増えないと達成されることはありません。明らかにありえないシミュレーションといえます。

ちなみに、江戸時代だったら、今でいう「県」は「藩」のようですが、江戸時代は540藩ほどあったようなので、江戸時代だったら10年間は通じるシミュレーションかも知れません。

参考元:近世藩制・藩校大事典 | 学, 大石 |本 | 通販 | Amazon

たとえば、「ずっと右肩あがり」のシミュレーション

目標値が一定ずつ増え、それに連動して必ず結果もよくなっているシミュレーション

一番気をつけなければいけないのがこのシミュレーション。
わかりやすいものだと、「コンバージョン単価」がずっとよくなり続けるもの。

たとえば、「1月のコンバージョン単価10,000円が、毎月5%改善される」というシミュレーション。

これを、2年間続けると、どうなるでしょうか?
計算してみましょう。

コンバージョン単価(毎月5%改善)
1ヶ月目 10,000
2ヶ月目 9,500
3ヶ月目 9,025
4ヶ月目 8,574
5ヶ月目 8,145
6ヶ月目 7,738
7ヶ月目 7,351
8ヶ月目 6,983
9ヶ月目 6,634
10ヶ月目 6,302
11ヶ月目 5,987
12ヶ月目 5,688
13ヶ月目 5,404
14ヶ月目 5,133
15ヶ月目 4,877
16ヶ月目 4,633
17ヶ月目 4,401
18ヶ月目 4,181
19ヶ月目 3,972
20ヶ月目 3,774
21ヶ月目 3,585
22ヶ月目 3,406
23ヶ月目 3,235
24ヶ月目 3,074

12ヶ月目には、5,688円。40%以上改善されました。
36ヶ月目には、3,074円。70%近く改善されました。とてつもない改善ですね。

数字を見れば一目瞭然ですが、こんなにも直線的なシミュレーションはまずありえないでしょう。

それなのに、いざシミュレーションを作るとなると、「去年より今年、今月より来月・・・数字をよく見せなきゃ・・・」と気持ちが先走って、知らないうちに「ずっと右肩あがりのシミュレーション」を作ってしまう人がいます。

また、「右肩あがりのシミュレーションを要求する人」もいるのではないでしょうか??

少し脱線しますが、ずっと右肩上がりのシミュレーションが様々な現場で作成され、そのとおりに進めば日本の経済力が世界一になるのは時間の問題です。

参考までにGDPの推移がわかるサイトをのせておきます。

参考元:GLOBAL NOTE

シミュレーションで大事なのは「忖度なしの可能性」を見据えること

例にあげたような「ありえないシミュレーション」なら、「そんなわけない!」とすぐにわかるのに、「今期のシミュレーションをつくろう!」となると、結構やりがちですよね。

シミュレーションを考える時は、「過去の傾向や現在の状況などを誠実に加味して、少しだけ先まで見込めそうな『それっぽい数字』にすること」が本来の目的ではないでしょうか。

もちろん、先のことまで分からないというのが現実ですので、厳密なシミュレーションというのはとても難しいものです。

ただ、ここでいう「それっぽい数字」とは、「稟議を通すためだけに数字をよく見せようとして意図的につくったありえない数字」であったり、「目標から逆算して帳尻合わせでつくった数字」でもなく、『よくもわるくもそれっぽい数字』が必要だと考えます。

文字にすると当たり前すぎることです。

どんなシミュレーションを考えればよいのか?

それを考えることが、シミュレーションの第一歩。

さけたいのは「誰かに忖度したりアピールするための見せかけだけのシミュレーション」をつくってしまうこと。

仕事に関わっていれば、事業の継続性を考えることが1番大事なはずです。

その場しのぎのシミュレーションや、自己アピールのシミュレーションは不要です。
とても大事なシミュレーションをつくる時は、忖度なしで現実もしっかり見据えてつくりたいですね。

教訓

嘘つきは泥棒のはじまり
右肩上がりのシミュレーションは泥沼のはじまり

ほんのちいさな出来心で「ずっと右肩上がりのシミュレーション」を作ったら最後。
これがエスカレートすると、商品やサービス品質の偽装、粉飾決算、過重労働などのとても大きな社会問題に発展する企業も出てきます。

たかがシミュレーションでは済まされません。

もし、手元に作りかけのシミュレーションがあったら、「ずっと右肩あがりになっていないか?」と、確認してみてください。

それでは!よいシミュレーションを!

このコンテンツを読んだ方が一緒に読まれているコンテンツです。ぜひこちらも一読ください。
【実践】3C分析でSNSのフォロワーが16倍に
WEBマーケティングにおける「効率化=CPA重視?」という考え方の先にある景色とは?

この記事のURLをコピーする コピーしました
香取

子どものころに読んだ「トーマス・エジソンの伝記」。幼少のエジソンが「1+1はなぜ2なの?大きな1だよ…!」と、2つの泥だんごを1つにしながら先生に問いかけたシーンに衝撃をうけました。1+1はいつも2ではない。あたりまえっぽいことに疑問を持てるようにこころがけています。

おすすめ記事

タガタメでは一業種一社限定の
WEBコンサルティングを提供。

・広告の費用対効果があわない
・どんな広告が良いのか悪いのか分からない
・サイト改善してコンバージョン率を上げたい
・担当者への要望がなかなか反映されない
上記内容にお困りの方、デジタル領域の課題に対して最適なプランをご提案致します。
お気軽にお問い合わせください。