「企業サイトへの流入数は多いけれども、問い合わせや申し込みにつながらない」このようなお悩みを抱える事業者は多いのではないでしょうか。
自社の商品やサービスの問い合わせや申し込みなどのコンバージョンを誘導したいなら、ランディングページの作成・運用がおすすめです。ランディングページは、営業に特化したページとなっており、コンバージョンにつながりやすい構成となっています。
この記事ではランディングページとは何か、作成手順やメリット・デメリットについて、わかりやすく解説します。
目次
ランディングページ(LP)とは?
ランディングページ(Landing Page)とは、検索結果やWEB広告、SNSなどを経由してユーザーが最初にアクセスするページのことです。
しかし、これは広義のランディングページのことを指します。WEBマーケティングで使われるのは、狭義のランディングページです。
狭義のランディングページは、自社の商品やサービスの申し込みや問い合わせなどを誘導するために、商品やサービスの紹介を1ページにまとめたWEBページを指します。
今回は、狭義のランディングページについて詳しく解説します。
ランディングページ(LP)とホームページの違い
LP(ランディングページ)とWEBサイト(企業サイト)の違いは以下のとおりです。
LP(ランディングページ) | WEBサイト(企業サイト) | |
ページ数・構造 | ・1ページ完結・階層なし | ・複数・階層あり |
目的 | 問い合わせや購入などCV獲得 | 自社の認知度アップ |
ターゲット | 顧客・見込み顧客 | 従業員・取引先・顧客・投資家など |
集客方法 | WEB広告 | SEO |
デザイン | ターゲットに訴えかけるようなインパクトを持つデザイン | シンプル |
作成費 | 5~20万円(LP1つあたり) | 30~数百万円 |
WEBサイトとランディングページの最も大きな違いは、ページ数とサイト構成です。WEBサイトは複数のページで構成されており、TOPページを起点にして、下層ページに遷移できる構成となっています。
一方、ランディングページは、1ページ完結型のWEBページなので、他のページに遷移できる構成になっていません。LPを訪れたときに、最初に表示されるファーストビューから下方向にスクロールしながら情報を見てもらう仕組みとなっています。
その他、WEBサイトはSEOで集客をしますが、LPはWEB広告を用いて集客をおこなうのも違いの1つです。
ランディングページ(LP)を作成するメリット
ランディングページの最大のメリットは、問い合わせや申し込みなどコンバージョンの獲得がしやすいことです。
なぜランディングページがユーザーのコンバージョンを誘導しやすいのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
メリット1│ユーザーが知りたい情報が1ページに集約
ランディングページのメリットは、ユーザーが知りたい情報が1ページに集約されていることです。
企業のWEBサイトは、ユーザーにサイト内を回遊させるため情報を複数ページに分割して掲載されています。ユーザーが自由にサイト内を回遊できる一方、知りたい情報を自分で探す手間が生じます。その結果、ユーザーが知りたい情報を見つけられないと「もういいや」と企業サイトから離脱してしまうのです。
一方、ランディングページでは、ユーザーの知りたい情報が1ページに集約されているため、ページを下方向にスクロールするだけですべての情報が取得できます。そのため、企業の意図通りに自社の商品やサービスの魅力を訴求できれば、ユーザーの購入意欲を引き出し、問い合わせや申し込みにつなげることができます。
メリット2│ 離脱しにくい構成
ランディングページのメリットは、離脱しにくい構成になっていることです。
ランディングページは、他ページへのリンクを意図的に少なくしており、ユーザーの離脱を抑制しています。一般的なWEBサイトは、ユーザーがサイト内を回遊しやすいよう、テキストリンクやバナーボタンなどの内部リンクを多く設置します。
その結果、ユーザーはサイト内を移動しやすくなりますが、ユーザーが必ずしも意図した内部リンクをクリックするとは限りません。どんなによいページでもユーザーは回遊していくうちに一定以上の確率で離脱してしまいます。そのため、WEBサイトではユーザーの流入数が多くても、お問い合わせや注文フォームへ到達する割合がごく少数になってしまうのです。
一方、ランディングページは他ページへの遷移を抑制しているため、離脱を防ぎ、問い合わせや申し込みフォームへスムーズに誘導できます。
メリット3│ ターゲット毎に最適な訴求ができる
ランディングページのメリットは、ターゲット毎に最適な訴求ができることです。
例えば、自社の商品やサービスのターゲットが20代?50代の男女と幅広いケースだとしましょう。ランディングページならば、「20代女性の方!」「30代男性の方!」などターゲット毎にLPを作成し、内容やキャッチコピーを変えてピンポイントに訴求できます。
それぞれのターゲットを分析し、ランディングページ全体の訴求内容を最適化すれば、問い合わせや申し込みなどコンバージョン数の大幅な増加が期待できるでしょう。
WEBサイト全体を特定のターゲットに限定して、最適化する手法もあります。しかしながら、複数ページに渡るWEBサイトを最適化するよりも、1ページ完結型のランディングページを最適化したほうがより簡単で手間も時間も省けます。
ランディングページ(LP)を作成するデメリット
ランディングページの導入には、メリットだけでなくデメリットもあります。
- 作成費がかかる
- SEO(検索エンジン最適化)が弱い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
デメリット1│ 作成費がかかる
ランディングページには、作成費がかかります。
ランディングページは、ユーザーの目を引くキャッチコピーや訴求内容を変えなければならないのはもちろんのこと、デザイン性も高いものに仕上げる必要があります。
セールスライティングやWEBデザインの知識が乏しい広告主が、日常業務の片手間で自ら作成するのは至難の業です。そのため、ランディングページはホームページ作成会社に作成を依頼することになります。
作成費は、依頼する業者によって異なりますが、1つあたり20万?40万円程度が相場です。デザイン性の高いものだと100万円前後かかることもあります。またターゲット毎に訴求内容を変える場合、1枚あたり10万円でも依頼する枚数によって高額になることもあります。
デメリット2│ SEO(検索エンジン最適化)が弱い
次にランディングページには、SEO(検索エンジン最適化)が弱い点が挙げられます。
ランディングページは、ターゲット毎に訴求力を高めるため、文字を画像化して強調させることが多いため、ページのテキスト量がどうしても少なくなりがちです。
GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンは、画像データの内容を読み取るのが苦手なため、WEBページの評価が低くなってしまいます。そのため、ランディングページは検索結果で上位表示されるケースは稀でしょう。
また、画像を多用するためページの読み込み速度も遅くなりがちなので、さらに評価が低くなる恐れがあります。よってランディングページは、SEOを切り捨てて、WEB広告から流入させるものと割り切って考えましょう。
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ランディングページ(LP)の作成手順
ランディングページはデザインが重要とはいえ、内容がわかりにくいものだと、ユーザーは離脱してしまいます。
ここからは、ランディングページの基本的な作成手順を3ステップでご紹介します。
- ランディングページのターゲットを明確にする
- ランディングページの訴求ポイントを決める
- ランディングページの構成を決める
それでは1つずつ解説します。
ステップ1│ ランディングページ(LP)のターゲットを明確にする
ランディングページを作成するときは、まずターゲットを明確にしましょう。
ランディングページの最終目的は、問い合わせや申し込みなどコンバージョンを獲得することですが、「誰に商品やサービスの良さを伝えるか」を明確にしないと、何を伝えてよいのかわからなくなるためです。
また、商品やサービスによっては「30代女性」「50代女性」などターゲットを明確化してもうまく訴求できないこともあるでしょう。
そのときは、ターゲットをさらに具体化しペルソナを明確化するのがおすすめです。ペルソナとは、ターゲットを具体化し、1人の人物像にしたもので、次のような項目を設定していきます。
《ペルソナ設定例》
- 名前
- 年齢
- 職業
- 休日の過ごし方
- 関心事
- 悩み事
ペルソナが明確化すると「誰にどのような悩みを解決させるためのランディングページなのか」がはっきりするため、内容がブレにくくなり作成がスムーズに進むでしょう。
ステップ2│ ランディングページ(LP)の訴求ポイントを決める
ターゲットとペルソナを明確化したら、ランディングページの訴求ポイントを決めましょう。
訴求ポイントとは、広告主がユーザーに商品やサービスの購入や申し込みを促すときに使う表現や情報のことです。
例えば、靴を購入する場合、品質を重視するか、履き心地など機能性を重視するか、価格を重視するか、購入の決め手となるものは人によってさまざまです。訴求ポイントがずれてしまうと、ユーザーがランディングページに到達しても、反応を示さずに離脱してしまう恐れがあります。そうなると、せっかくの購入機会を失ってしまい、とても勿体無いです。
ターゲットに合った明確な訴求ポイントを見つけ、ユーザーを申し込みや問い合わせへ誘導しましょう。
ステップ3│ ランディングページ(LP)の構成を決める
ターゲットや訴求ポイントが定まったら、ランディングページの構成を決めます。
ランディングページは大きくわけて、4つの要素で構成されています。
- ファーストビュー
- 共感
- ベネフィット
- クロージング
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ファーストビュー
ファーストビューはユーザーがランディングページに訪問したときに、最初に見る部分です。ここにはユーザーが特に知りたいと思っている情報を画像やキャッチコピーを使って入れましょう。
ファーストビューに入れるべき要素は次のとおりです。
- キャッチコピー
- 権威(専門家監修や累計販売数などの実績)
- 商品やサービスを導入した結果がわかるイメージ
ミズーリ科学技術大学の研究によると、WEBサイトに訪れたユーザーは約2.6秒でサイトの良し悪しを判断していると発表しています。
参考元:https://news.mst.edu/2012/02/eye-tracking_studies_show_firs/
つまり、ランディングページに訪問したユーザーはファーストビューを確認し、わずか約2.6秒で続きを読むか判断しているのです。ファーストビューでユーザーの目を引く情報がなければ、ユーザーはランディングページから離脱してしまいます。
ユーザーにランディングページを読み進めてもらうためにも、ファーストビューには、ユーザーが知りたいと思っている情報を盛り込む必要があります。
共感
ユーザーの悩みや困っていることに共感する部分です。ランディングページに書かれている内容を他人事ではなく自分事として見てもらえるよう誘導します。
自分事としてとらえてもらえれば、そのあとに続くランディングページの内容も自分事として受け止め、悩みを解決できるサービスや商品に興味を持ってくれる可能性が高まるでしょう。
ベネフィット
ベネフィットとは、ランディングページで紹介した商品やサービスをユーザーが購入することで得られるメリットのことです。
ベネフィットでは、ユーザーが商品やサービスを購入したあとの自分をイメージできるような表現を心がけましょう。ただ、ユーザーのなかには商品やサービスは魅力的だけれども、何か裏があるのではないかと迷っている人もいます。
そのような人のために、実際に商品やサービスを購入した人のレビューや評価を紹介したり、返品や返金方法を示すことで、安心感と信頼感を与えることができるでしょう。
また、ユーザーが不安になりそうなことを「よくある質問」として用意しておくことで、購入しない理由を除外できます。
クロージング
クロージングは、ユーザーへ商品やサービスの申し込みや問い合わせを促す最後の一押しとなる重要な部分です。
ランディングページをクロージングまで読んだユーザーは、申し込みや問い合わせなどコンバージョンする可能性が高いため、今購入すべき理由を提示します。
例えば、「今だけ●●%引き」「期間限定販売」「今月中のご注文で特典付き」などです。特に「残り●●個!再販はありません」など数値入りで、希少価値を提示するとユーザーは焦りを感じ、購入意欲をかきたてられます。
ランディングページ(LP)を作成するときに役立つツール3選
ランディングページを外注すると、20万円?60万円の費用が発生します。しかしながら、事業者のなかには外注費を捻出するのが難しい場合もあるかもしれません。
そこで、ここからは自分でランディングページを作成するときに役立つツールをご紹介します。いずれも、専門知識や専門的な環境が不要なツールばかりなので、自社のランディングページづくりにぜひお役立てください。
Jimdo(ジンドゥー)
「Jimdo(ジンドゥー)」は株式会社KDDI ウェブコミュニケーションズが販売しているWEBページ作成ツールです。
AIビルダーとクリエイターという2つの利用プランがあり、それぞれ利用方法が異なりますが、いずれも専門的知識や特別な環境も不要で、WEBページの作成ができます。
料金プラン | 内容 |
クリエイター | レイアウトを選択し、画像をアップロード。文章を追加するだけで最短3分でWEBページが作成 |
AIビルダー | 作成アシスタント機能が付いたWEBページ作成ツールです。質問に回答するだけで、独自AIが最適なページを自動生成してくれる |
さらに専用アプリをダウンロードすれば、スマートフォンからの編集や更新も可能です。
ペライチ
「ペライチ」は、株式会社ペライチが開発・販売しているWEBページ作成ツールです。
デザインを選択・内容作成・公開の3ステップでWEBページを公開できます。利用目的に合わせて用意されたテンプレートはなんと数百種類。テキストや画像を入れ込むだけで、イメージに近いWEBページが完成します。
STUDIO
「STUDIO」は、Studio株式会社が開発・販売しているWEBページ作成ツールです。
ノーコード、テンプレートなしでWEBページの構築・公開・運営ができます。画像サイズや文字サイズ・幅調整など、デザイン性を重視したい方におすすめです。
リアルタイムで共同編集も可能なので、リモート作業しているメンバーと共同してWEBページ作成もできます。
ランディングページ(LP)を効果的に活用する方法
ユーザーの目を引くランディングページを作成しても、そのまま放置しているだけでは、コンバージョンを獲得することはできません。
ここからは、作成したランディングページを効果的に活用し、コンバージョンを獲得する方法を解説します。
企業サイト・オウンドメディアから誘導する
ランディングページでコンバージョン獲得数を増やすならば、まずページへの流入数を増やす必要があります。ランディングページの内容がよいものだとしても、流入数が少なければ、問い合わせや申し込みなどコンバージョン獲得数も増えないためです。そのためには、WEB広告だけでなく、企業サイト・オウンドメディアからランディングページへの誘導もおこないましょう。
SEOを強化した企業サイト・オウンドメディアとランディングページを組み合わせれば、ページの流入数も増加しランディングページのコンバージョン獲得数増加が期待できます。また、近年はリスティング広告などWEB広告にかかるコストが増加傾向にあります。
今後、コストを抑えるためにはWEB広告だけでなく、企業ホームページ・オウンドメディアのSEOによる集客力を活用しながら、ランディングページを運用する施策が必要になるでしょう。
スマートフォンからの閲覧に対応できるようにする
ランディングページで効果を上げるには、スマートフォンからの閲覧に対応できるようにしましょう。
近年では、LPにたどり着いたユーザーの20?60%はスマートフォンからアクセスしているためです。そのため、ランディングページがスマートフォンに対応していないと、文字サイズが小さくなり、読みづらくなるため訪問したユーザーにストレスを与えてしまいます。
その結果、ランディングページを訪問したユーザーが途中で離脱してしまい、自社の商品やサービスの申し込みや問い合わせのチャンスを逃してしまうでしょう。ランディングページを作成するなら、スマートフォン対応は必須です。
LPOをおこなう
LPOとはランディングページ最適化のことです。
ランディングページは一度作ってしまえば終わりではありません。ユーザーのニーズに合わせて、LPの構成やデザインを改善することで、ユーザーの離脱を抑制し、コンバージョン率を向上させていく必要があります。
具体的なLPOの流れは次のとおりです。
- LPの現状の問題をデータを見ながら洗い出す
- 現状の問題の原因を洗い出し、改善策を検討する
- 改善策を1つずつ実施し、ABテストなどで検証する
- 検証結果を確認しながら実施したLPOが適切かを確認する
LPOの手順や詳しい内容はこちらの記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。
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- 支援事例②CPAが5分の1に。きめ細かな運用が決め手に
- 支援事例③LPの改修でCVRが約5倍に
まとめ
ランディングページは、自社の商品やサービスを効果的にアピールし、コンバージョンを獲得するための強力なツールです。しかしながら、ランディングページの作成や運用には一定の知識と手間がかかります。
メリットとデメリットを理解し、自社の状況に合わせて最適なランディングページを作成・運用することで、売上アップが期待できるでしょう。
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