マーケティングにおいて、商品やサービスに特化したLP(ランディングページ)の制作は大変重要です。しかし、LPの制作を検討する場合、「どのように作成すればいいのか」「自社で作るべきか、制作会社に依頼するべきか」と悩むことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、LP制作について、そのメリットなどを自社制作でおこなう場合と弊社を含む制作会社に依頼する場合で比較して解説します。また、おすすめのアプリやツール、制作会社なども併せて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
LP(ランディングページ)を制作するメリット
LP(ランディングページ)は、ユーザーが最初に見るWEBページを指しますが、単なるトップページとは異なります。特定の目的(商品の購入、資料請求、会員登録など)を達成するために、必要な情報を整理して、ユーザーにわかりやすく伝えることを目的としているのが特徴です。
LPを制作するメリットは次の3つです。
- 離脱率を抑えることができる
- ユーザーのニーズがまとまっている
- ユーザーに適切な順番で情報を伝えられる
それぞれ解説します。
離脱率を抑えることができる
LPは、特定の目的を達成するためのページなので、ユーザーが求める情報だけをわかりやすく伝えることができます。そのため、ユーザーが迷わず、目的を達成しやすくなり、離脱率を抑えることが可能です。
ユーザーのニーズがまとまっている
LPは、特定の製品やサービス、キャンペーンに特化しています。これにより、ユーザーの関心やニーズに直接応える内容を提供できます。ユーザーが求める情報がまとまっており、必要な情報だけを整理して伝えることができるため、満足度も高まるでしょう。
ユーザーに適切な順番で情報を伝えられる
LPでは、目的を達成するために必要な情報を、ユーザーが理解しやすい順番で効果的に伝えることができます。適切な順序で情報を伝えることで、ユーザーの関心を引きつけ、期待しているアクションを促すことが可能です。
LP制作は自社制作か制作会社か?双方のメリットを紹介
LP制作は、自社で制作するか、制作会社へ依頼するのが基本です。ここでは、それぞれの場合のメリットをご紹介します。
LP制作を自社でおこなうメリット
LP制作を自社でおこなうメリットは、下記の3つです。
- コストを抑えられる
- 制作や改善がスピーディーにおこなえる
- ノウハウや知見も蓄積される
それぞれ解説します。
コストを抑えられる
自社でLPを制作する最大のメリットは、コストを抑えられることです。制作会社に依頼する場合、制作費や運用費、広告手数料などが発生します。しかし、自社内で制作することで、これらの費用を節約できます。
制作や改善がスピーディーにおこなえる
自社でLPを制作する場合、外部とのやり取りや承認プロセスの省略が可能です。そのため、制作や改善をより迅速におこなうことができるでしょう。また、タイムリーな更新・調整によって、市場やユーザーニーズに適切に対応できます。
ノウハウや知見も蓄積される
自社でLP制作をおこなうことで、マーケティングに関する貴重なノウハウや知見が蓄積されます。将来的に他のプロジェクトやキャンペーンに活用でき、組織全体のスキルアップにもつながります。
LP制作を制作会社へ依頼するメリット
LP制作を制作会社へ依頼するメリットは、次の3つです。
- ノウハウを活かした高い成果が見込める
- 時間の効率化で業務効率を上げられる
- クオリティの高いページ制作ができる
それぞれ解説します。
ノウハウを活かした高い成果が見込める
専門の制作会社に依頼すると、豊富な経験と専門知識によって効果的なLPを制作してもらえます。また、ノウハウを活かした改善やサポートにより、コンバージョン率やエンゲージメントの向上が見込めるでしょう。
時間の効率化で業務効率を上げられる
LP制作を外部に委託することで、社内リソースを他の重要な業務に集中させることができます。これによって、業務効率の向上と時間の最適化が図れます。
クオリティの高いページ制作ができる
制作会社は最新のトレンドや技術に精通しており、クオリティの高いLPを制作できます。商品・サービスの詳細な資料を共有したり、話し合ったりすることで専門的なデザインが実現し、ブランドイメージが高まるでしょう。
LP制作を自社でおこなう際の流れ
LP制作を自社でおこなう場合、次の手順になります。
- 目的や目標を明確にする
- ペルソナや訴求方法を設定する
- LPの構成を作成する
- コンテンツを作成する
- デザインを作成する
- コーディングをおこなう
- 公開後は定期的に効果測定をおこなう
それぞれの手順を説明します。
1.目的や目標を明確にする
LPの制作では、まず明確な目的を設定することが重要です。目的が商品販売、資料のリクエスト、問い合わせなどであれば、それに適した内容をページに反映させる必要があります。LPに必要な要素は、目的を具体化することで明らかになります。
例えば、新商品を売りたい場合、テキストだけでなく、商品の魅力をより具体的に伝えるために多くの画像を使用するとよいです。また、LPの作成にあたっては、達成すべき主な目標(KGI)とその目標達成を測るための指標(KPI)を設定するのが一般的です。
「カタログ請求を30件獲得する」というKPIを設定したケースでは、その目標を達成するために必要なアクセス数やコンバージョン率などをKPIとして定めましょう。
2.ペルソナや訴求方法を設定する
次に、ペルソナや訴求方法の設定をおこないます。「ペルソナ」とは、典型的なユーザー像をできるだけ詳しく具現化したもので、マーケティングでよく用いられます。「ターゲット」と似ていますが、ターゲットは「40代女性」のような一般的なグループを指し、具体的な特徴は含みません。
一方、ペルソナは、次のような具体的なキャラクターを設定します。
- 40歳代の既婚女性で子供が1人いる
- 東京近郊のマンション住まい
- リモートワークで自宅にいる時間が増え、編み物に挑戦したいと思っている
- 編み物に必要な道具を探している
これにより、この人物がどのような購買行動をとるかを予測します。詳細なペルソナ設定により、どのような訴求方法が効果的か、またターゲット層にどのようにアプローチすれば反応が得られるかが明確になります。
ペルソナを設定しなければ、LPがどのようなユーザーを対象としているかが不明瞭になり、効果的なメッセージを届けることが難しくなります。主要なターゲットにアクションを促すためにも、ペルソナ設定は不可欠です。
また、LPに掲載するコンテンツの方向性を決めるには、対象となる人物の抱える問題や解決したいニーズの把握も必要です。
3.LPの構成を作成する
LPの構成とは、メッセージの内容とその順序を決める工程を指します。目的を達成するための効果的なLPを作るには、どの情報をどのような順序で提示するかが重要です。
ユーザーの行動を促すには、内容に納得してもらい、共感を得る必要があります。共感や理解がなければ、資料の要求や製品の購入などの具体的な行動にはつながりにくいでしょう。
例えば、次のような流れの構成を考えることができます。
- 問題を提示する
- なぜ解決ができるのか説明する
- 具体的な解決策を提示する
- 自社製品の紹介や資料請求に誘導する
実際に多くのLPで採用されている構成なので、ぜひ参考にしてみてください。
4.コンテンツを作成する
構成が決定したら、次はコンテンツの制作に取りかかりましょう。「コンテンツ」とは、キャッチフレーズや本文のことを指します。
キャッチフレーズはユーザーの注意を引きつける重要な要素であるため、慎重に考える必要があります。記憶に残るキャッチフレーズで、ユーザーの関心を引きつけると効果的です。
さらに、キャッチフレーズだけでなく、心を動かすような文章も必要です。単に商品・サービスの情報を伝えるのではなく、どのような問題を解決できるか、どのような利点があるのかをわかりやすく書くとよいでしょう。この場合、対象となるペルソナに適した書き方を心がけることも重要です。
5.デザインを作成する
次に、デザインの作成をおこないます。デザインは、ユーザーの印象を大きく左右するため、しっかり丁寧に作成する必要があります。
例えば、20代後半会社員の女性がペルソナであれば、スタイリッシュなデザインが適しているかもしれません。一方、高齢者が対象の場合は、読みやすい大きな文字やシンプルなデザインが効果的です。
また、資料請求や問い合わせ、申し込み用のボタンは目に付く場所に配置することをおすすめします。行動を促すボタンはCTA(コール・トゥ・アクション)と称され、隠れた位置にあるとユーザーの利便性を損ねます。ユーザーが申し込みボタンを見つけられない場合、ページから離脱するリスクが高まるため、一目で見つけられる位置に配置することが重要です。
6.コーディングをおこなう
デザインができたら、コーディングの作業に入ります。「コーディング」とは、HTMLやCSSなどのマークアップ言語を使用して、デザインを記述する作業を指します。このプロセスでは、パソコンやスマートフォンなど、異なるデバイスで適切に表示されるかの確認が必要です。
さらに、LP制作用のツールを活用することで、HTMLに詳しくない人でも容易にページの作成が可能です。LPを作ったあとの成果はすぐには得られない場合もあるため、簡単に修正できるようにしておくことが望ましいでしょう。
また、修正が必要な際にどの部分のコードなのか特定できるよう、コードエディタ上で注釈を付けておくことも効果的です。
7.公開後は定期的に効果測定をおこなう
LPが完成したら、効果を定期的に評価し、PDCAサイクルを継続的に回していきましょう。効果評価には、Google Analyticsのような分析ツールがとても有効です。
これらのツールを利用すれば、ユーザーの属性やどこから訪れたかなどのデータを収集・分析できるため、積極的に利用することをおすすめします。設定した目標が達成されているか、また重要な問題点がないかを確認し、必要に応じてLPの最適化(LPO)をおこなうことで、より成果が上がりやすくなります。
LP制作を自社でおこなう際のポイント
LP制作を自社でおこなう場合、下記の5つのポイントを押さえておくとよいでしょう。
- ファーストビューによる集客に重点を置く
- LPOを継続しておこなえる環境にする
- ユーザーの共感を得られるような構成にする
- ユーザーがわかりやすく見やすいものにする
- 担当不在でも更新ができる環境にしておく
それぞれ解説します。
ファーストビューによる集客に重点を置く
自社でLPを作成する際は、ファーストビューによる集客に重点を置くことが大切です。「ファーストビュー」とは、ユーザーが最初に目にするページ上部のことを指します。
ユーザーは、短時間(約3秒)でページに滞在する価値があるかを判断します。ユーザーの興味を引きつけ、行動に移してもらうには、ファーストビューで強く関心を持たせることが不可欠です。
そのため、ファーストビューには、特に伝えたい核心的なメッセージを含め、対象とするユーザーに伝えたいことを意識して配置するとよいでしょう。
LPOを継続しておこなえる環境にする
「LPO」とは、ランディングページを最適化することです。LPの効果を最大化させ、より成果につながるページにするためにもLPOを継続しておこないましょう。
ユーザーの共感を得られるような構成にする
LPで成果を上げるには、ユーザーの共感を得られるような構成にするとよいです。ユーザーの視点を意識し、自分がページにアクセスした場合、どのようなページであればストレスなく最後まで読むことができるか考慮しましょう。
ユーザーがわかりやすく見やすいものにする
LPの制作では、ユーザーに向けたわかりやすく見やすいものにすることが重要です。ユーザーの利便性を最優先し、操作のしやすさや視認性、ページのロード速度などに重点を置いたページを設計することで、行動につながります。
担当不在でも更新ができる環境にしておく
LPの作成が完了したとしても、それが最終段階ではありません。定期的な効果の分析とそれに基づいた改善を通じて、ページをより成果を生むものへと発展させる必要があります。
そのためには、担当不在でも更新ができる環境にしておくことが重要です。誰でも簡単に更新がおこなえるようなページ設計をおこない、効果の測定と分析、改善を繰り返しましょう。
LP制作を自社で制作する際におすすめのツール・アプリ7選
LPを自社で制作する際ツールなどを使うことで手軽に制作が可能です。ここでは、LP制作におすすめのツール・アプリを7つご紹介します。
ペライチ
「ペライチ」は、株式会社ペライチが提供するサイト制作ツールです。ペライチでは異なるプランを用意しており、ページ数や利用目的に応じた選択が可能です。
このツールのおすすめポイントは、デザインが選べることや簡単な3ステップでのページを作成、さまざまなSNSとの連携により自社のSNSアカウントとの併用が簡単なところなどです。
また、業種や利用目的に適したテンプレートを選択できる点もメリットです。
参考元:ペライチ
フォームメーラー
「フォームメーラー」は、株式会社フューチャースピリッツが提供するフォーム作成ツールです。フォームとWEBページの両方を簡単に作成できるため、コンバージョンを得ることを目指したLP制作に適しています。
このツールの特徴として、直感的な操作でレイアウトを編集できるドラッグ&ドロップなどのクリック操作が挙げられます。また、YouTubeやGoogle Maps、表などの外部ツールをページに設置が可能です。多くの導入事例が公開されており、制作時にイメージしやすいのもメリットです。
参考元:フォームメーラー
STUDIO
「STUDIO」は、STUDIO株式会社が提供するサイト制作ツールです。簡単な操作性と高い自由度を兼ね備えており、利用することで個性的なLPの作成が可能です。
テンプレートが用意されていますが、書体やアニメーションにまでこだわることでオリジナルデザインもできます。また、共同編集やレビューなど、チームでの制作をサポートする機能が充実しており、使い勝手も抜群です。
参考元:STUDIO
Instapage
「Instapage」は、Instapage Inc.が提供するWEB制作ツールで、日本語には対応していませんが、直感的な操作で高品質なLPを作成できます。
このツールの特徴は、LP制作に特化したプラットフォームが提供されている点です。また、公式サイトにはLP制作に役立つ情報が豊富に掲載されています。さらに、ABテストを簡単におこなえる機能があるため、効果測定やページの改善作業がスムーズにおこなえます。
参考元:Instapage
Jimdo
「Jimdo(ジンドゥー)」は、ドイツ発のホームページ作成サービスで、KDDIウェブコミュニケーションズが日本語版を提供しており、全世界で170万人以上のユーザーが利用しています。
無料から始めることが可能で、40種類以上の豊富なテンプレートがあり、専門的な知識がなくても直感的に操作してWEBサイトを構築できるのが大きな特徴です。
参考元:Jimdo
Wix
「Wix」は、Wix.comによって提供されるサイト作成ツールです。Wixでは800種類以上の多彩なテンプレートが用意されており、これらはすべて自由にカスタマイズ可能です。
また、動画の背景やさまざまなエフェクト・アニメーションなどの動的なデザイン要素も取り入れることができ、AIを活用した画像やテキストの自動生成機能も搭載されています。
参考元:Wix
WordPress
WEBサイト構築のCMSツール「WordPress」を使ったLP制作も可能です。WordPressテーマを利用したり、プラグインを利用したりすることで簡単に作成できるため、コストを削減できます。
LP制作を制作会社に依頼する際のポイント
LP制作を制作会社に依頼する場合、次の4つのポイントを押さえておくことをおすすめします。
- 広告運用で実績のある制作会社を選ぶ
- トレンドや変化に敏感な制作会社を選ぶ
- 費用の安い制作会社を選ぶ
- アフターサポートがしっかりしている制作会社を選ぶ
それぞれ説明します。
広告運用で実績のある制作会社を選ぶ
LP制作で成果を上げるには、広告運用で実績のある制作会社を選ぶことが重要です。実績のある会社は、市場の動向やターゲットユーザーの心理を理解しており、効果的なLPを作成する知識と経験を持っています。これにより、コンバージョン率の高いLPの作成が可能です。
トレンドや変化に敏感な制作会社を選ぶ
WEBマーケティングの世界は常に進化しているため、トレンドや変化に敏感な制作会社を選ぶ必要があります。最新のデザインや技術を取り入れたLP制作によって、ユーザーの興味関心を引きつけることができます。
費用の安い制作会社を選ぶ
費用は重要な検討要素ですが、安さだけでなく、提供されるサービスの質や価値を考慮することが重要です。コストパフォーマンスのよい制作会社を選んで依頼すれば、限られた予算内で相応の効果を得られるでしょう。
アフターサポートがしっかりしている制作会社を選ぶ
LPは、公開後も継続的な管理と更新が必要です。アフターサポートがしっかりしている制作会社を選ぶことで、トラブル発生時の迅速な対応や必要に応じた改善提案が期待できます。
まとめ
LP(ランディングページ)は、商品購入など特定の目的を達成するために、必要な情報を整理して、ユーザーにわかりやすく伝えることを目的としたページです。自社で制作する場合と制作会社に依頼する場合がありますが、それぞれメリットがあるので把握しておくとよいでしょう。
自社で制作するなら、LPの構成やコンテンツ作成など、ポイントを押さえておこなうことが重要です。またその際は、LP作成に役立つツールの利用をおすすめします。
制作会社への依頼を検討する場合、今回の選び方を理解しておくと成果を上げやすいのでぜひ、今回の記事を参考にしてみてください。
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