多彩な広告を配信できるYDA(Yahoo!ディスプレイ広告)。以前はYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)というサービス名でしたが、2021年6月に別のサービスと統合し、現在の名称で提供を開始しています。
この記事では、YDAの特徴やターゲティングの種類、GDN(Googleのディスプレイ広告)とどのような違いがあるのかなどを詳しく解説。YDAの導入を検討している方や、WEB広告について勉強中の方はぜひ参考にしてみてください。
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目次
YDAとは
YDAとは、GDNと同じく、画像で広告表示できるディスプレイ広告の一種。Yahoo!JAPANの各サービスサイトや、Yahoo!JAPANと提携したパートナーサイトに広告を出すことができます。検索エンジンの結果として表示されるリスティング広告とは異なり、あらかじめ広告枠が設けられたサイトに配信されるのが特徴です。
YDAとYDNの違い
YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)とは、先述の通り、YDAの前身にあたるサービスです。2021年6月に「Yahoo!プレミアム広告」と統合し、一部仕様変更がおこなわれたうえでYDAにサービス名称を変更しています。
YDNからYDAに移行したことにより、下記のような仕様変更、機能追加・廃止がおこなわれています。
- キャンペーンの目的に最適化した機械学習
- インタレストカテゴリの廃止
- クリエイティブ単位での単価調整を廃止
- インフィード広告がレスポンシブ広告に統合
- キャンペーン / 広告グループ/ 広告をコピー&ペーストでの複製が可能に
- 管理画面でデータの推移をグラフで表示、閲覧可能に
- 地域・性別・年齢・カテゴリなどをターゲティングが1画面に集約
YDAの移行にあたって、広告キャンペーンを作成する際「キャンペーン目的」の設定が必須になりました。キャンペーンの目的を最大化するため、広告配信時は機械学習による自動入札がおこなわれるようになっています。
オークションランクは、広告配信時に設定したクリック、コンバージョン、インプレッションのいずれかの目的に応じて決定されますが、設定した目的はあとで変更ができないため、目的を意識したキャンペーンを作成することが重要になります。
YDAで設定できるターゲティング
YDAでは、さまざまなターゲティング設定が可能です。複数のターゲティングをかけ合わせることで、より効率的に広告を配信できます。
YDAで設定できるターゲティングは、下記のとおりです。
性別ターゲティング
性別を指定するターゲティングです。「男」、「女」、「不明」の項目の中から、特定の性別にターゲティングができます。「推定」という項目もあり、こちらを選択すると、該当する性別と推定されるユーザーにも配信されます。配信量を増やしたい場合に推奨される選択肢です。
年齢ターゲティング
13歳~70歳以上の年齢層、あるいは「不明」の項目のなかで選択した年齢のターゲティングが可能です。こちらにも「推定」の項目があります。
サーチキーワードターゲティング
過去にYahoo!JAPANで検索したキーワードをもとに、指定のキーワードで検索したユーザーをターゲティングできます。また、「〇回以上検索したユーザーのみに配信」や「過去◯日以内に検索したユーザーに配信」など、検索回数や期間も細かく指定可能です。サーチキーワードターゲティングはYDAでは設定できますが、GDNでは設定できない項目です。キーワードを指定したターゲティングができるため、アクセス後の商品購入や問い合わせにつながる見込みのあるユーザーをねらいやすくなります。
サイトリターゲティング
過去に自社サイトを訪問したことがあるユーザーに対してターゲティングをおこなえます。「訪問から○日間のユーザーだけに配信する」など、期間の指定も可能です。サイトに訪れたことがあるということは、自社サービスや商品に関心を持っているユーザーである可能性が高いため、リターゲティングを設定することで、問い合わせや商品購入につなげやすくなります。
オーディエンスカテゴリターゲティング
特定のカテゴリに興味・関心を持つユーザー、特定の属性(家族構成、年収など)を持つユーザー、ライフイベント(就職、結婚など)を迎えるユーザーを設定してターゲティングができます。カテゴリタイプは「興味関心」、「購買意向」、「属性・ライフイベント」の3つから選択可能です。
サイトカテゴリターゲティング
「ニュース、情報系」、「ソーシャルサービス」、「エンターテインメント」など、特定のカテゴリを指定し、そのカテゴリに属するサイトにターゲティングをおこなえます。
プレイスメントターゲティング
特定のURLを含むサイトに対して広告配信ができるターゲティングです。見込み客が集まるサイトを指定して配信することで、問い合わせや商品購入につなげられます。逆に、「特定のURLを含むサイトには広告を出さない」という設定も可能です。
地域ターゲティング
特定の地域を指定することで、どの地域にどれくらい広告を配信するか強弱をつけることができます。都道府県単位、市区群単位で指定できる「地域名指定」、選択した地域からの半径を指定して広告グループに設定する「半径指定」の2つの指定方法があり、併用も可能です。
デバイスターゲティング
広告の配信先デバイスを指定できます。パソコン、スマートフォン、タブレットから選択可能です。使うことは少ないですが、OSの指定も可能です。
曜日・時間帯ターゲティング
特定の曜日・時間帯を設定して広告を配信することができます。時間帯は15分単位で設定可能。広告運用を続けるなかで、より効果的な曜日や時間帯が見えてきた際に設定するのがおすすめです。
YDAの広告様式
YDAでは複数の様式で広告の配信ができます。それぞれ特徴や費用が異なるため、目的や予算に合わせて最適なものを選択するようにしましょう。
バナー広告
画像または動画のみを配信できる様式です。タイトルなどの文章の表示はできません。バナーサイズは最小300×250pixel、最大1,280×720pixelの間の豊富なバリエーションの中から選択可能です。
バナー広告はビジュアルが大きく影響するため、ユーザーの視界に入りやすく、認知度の向上や潜在層へのリーチも期待できます。一方で、バナーのクオリティによってはユーザーの関心を引くことができず、成果が出ない場合もあります。ビジュアル最優先の広告形式だからこそ、クオリティにこだわったものを作成する必要があります。
レスポンシブ広告
画像や動画とテキストを組み合わせて表示できる広告様式です。画像や動画とともに「もっと見る」「詳しくはこちら」などの文字列を表示させてユーザーを惹きつけ、クリックを促すことができます。掲載サイトに応じて最適なサイズに自動で調整されるため、複数サイズの画像や動画を用意する必要がありません。
動的ディスプレイ広告
ユーザーの行動履歴に基づき、興味・関心があると想定される商品やサービスの広告を表示させる広告様式です。広告主が事前に商品リストなどをCSVでアップしておくと、ユーザーの検索履歴や閲覧履歴にマッチした商品を広告として表示できます。特にECサイトの広告配信によく使われる様式で、見込み度の高いユーザーに効率よく広告を配信できるメリットがあります。
カルーセル広告
2枚〜10枚程度の複数の画像を組み合わせて表示する広告様式です。ユーザーはクリックやスワイプで表示される広告画像を切り替えることができます。紙芝居形式でストーリー性を持たせてユーザーの興味を引きつけたり、商品カタログのように表示して1つの広告でより多くの情報を届けたりと、工夫次第でさまざまなアプローチが可能です。
テキスト広告
その名のとおり、文章(タイトル、説明文、URLなど)だけのシンプルな広告様式です。ビジュアル的なインパクトは小さいものの、画像や動画を作成する必要がなく、制作の手間や費用が抑えられるため、簡単に作成できるメリットがあります。
YDAのメリット
WEB広告サービスは、GDNをはじめさまざまな企業が提供しており、またヤフーもYDAの他に「検索広告(リスティング広告)」を提供しています。多くの選択肢があるなかで、WEB広告にYDAを選ぶメリットとして、下記のようなポイントが挙げられます。
多くのユーザーにアプローチできる
Yahoo!JAPANは国内最大級のポータルサイトで、検索エンジンとしてのシェア率は約13.5%(2023年7月時点)に上ります。シェア率第1位のGoogleには及ばないものの、ニュースや天気予報、ショッピングなど、生活に関連するコンテンツが充実していることから、情報検索以外の目的でも広く利用されています。
それらYahoo!JAPANに関連したコンテンツのページや自社サービスサイト、提携パートナーのサイトやアプリにも表示されるため、リーチできるユーザー数が特に多いことが、YDAを利用する最大のメリットです。
低予算で広告運用ができる
ディスプレイ広告であるYDAは、リスティング広告と比較して広告費を安く抑えることができます。リスティング広告の場合、競合の多いビッグキーワードほど入札単価が高騰し、キーワードによっては1クリックあたり1,000円以上になることも珍しくありません。
一方、ディスプレイ広告の入札単価の目安は(ターゲティング設定にもよりますが)、1クリックあたり数円~数十円ほど。従量課金制(クリックして初めて課金される)ということを考えると、クリック単価が安いのは大きなメリットになります。
サーチキーワードターゲティングが利用できる
YDA独自の機能のひとつに、過去にYahoo!JAPANでユーザーが検索したキーワードに基づいて広告を配信できる「サーチキーワードターゲティング」機能があります。
GDNにもキーワードターゲティングの機能はありますが、YDAが検索(ユーザー行動)をもとにしているのに対し、GDNはあらかじめ広告主が設定したキーワードに関連するWEBサイトに広告を表示させるというもの。混同しがちですが、仕組みとしては大きく異なります。
過去に自社サイトを訪れたことのあるユーザーに対してターゲティングするため、コンバージョンになる可能性の高いユーザーに搾って広告を配信できます。そのため、広告費を節約しつつ、CVRの向上やリピートビジネスの促進など、より効果的なターゲティングがおこなえます。
YDAとGDNの違い
WEB広告サービスを検討する際、YDAとGDNのいずれかで悩まれる方も多いのではないでしょうか。ここでは、それぞれ異なる特徴を持つYDAとGDNの違いを解説します。
広告の配信先
YDAとGDNの違いとしてまず挙げられるのは、広告の配信先です。
YDAは、Yahoo!Japanの自社サービスとパートナー企業に設けられた広告枠に配信されます。提携先はLINEやクックパッド、新聞社・出版社などの法人に限定されているため、比較的信頼性の高いWEBサイトに広告を配信できるのが特徴です。
GDNは、YouTubeやGmailなどのGoogleが提供するサービス、食べログなどの提携先サイト、そしてGoogleアドセンスを利用している個人・法人の200万以上ものWEBサイトへ配信ができます。配信先の多さとバリエーションの豊富さでは他の追随をゆるしません。
広告サイズ
広告サイズにはさまざまな種類があり、YDAとGDNでは(一部共通しているサイズもありますが)それぞれ対応しているサイズが異なります。
2023年8月時点でのバナーサイズは、YDAが16種、GDNが20種(いずれもパソコン、モバイル合計)の広告サイズに対応。そのうち、共通しているのは「縦350×横250」など5サイズに留まります。どちらも対応サイズが変更になったり、追加・廃止されたりする場合もあるため、最新の情報を確認するようにしましょう。
ターゲティング
YDAとGDNのターゲティング機能には共通する部分も多くありますが、設定できる項目や機能に一部違いが見られます。
例えば、YDAの独自機能である「サーチキーワードターゲティング」。Yahoo!JAPANでの検索履歴をもとに、指定のキーワードで検索したユーザーにピンポイントで広告を配信できます。また、年齢ターゲティングが7区分に設定されているGDNに対し、YDAは13区分と、年齢層をより細かく搾って指定できるのもYDAの特徴です。
一方、GDNには「カスタムセグメント」という独自機能があります。この機能により、キーワード・URL・動画などを指定して柔軟にセグメントを設定することが可能です。また地域ターゲティングにおいて、YDAも対応している「地域名指定」「半径指定」のほか、その地域への関心や訪問頻度など、さまざまな条件の指定が可能です。
まとめ
YDAは、Yahoo!JAPANのサイト内だけでなく、ヤフー社が提供している関連サービスや提携パートナーサイトなどに、ディスプレイ広告を配信できるサービスです。
競合となるGDNと比較すると、配信先やターゲティング機能などさまざまな相違点があるため、それぞれの特徴を確認しつつ、自社にとって最適な広告サービスを選ぶようにしましょう。
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