ARPAとは?意味や算出方法、その他の指標との違いについて解説

編集部
ARPAとは?意味や算出方法、その他の指標との違いについて解説

ARPAの意味や算出方法、それ以外に利用される指標などをご紹介します。

「ARPA」とは月額課金モデルのサブスクリプション型ビジネスで重視されている指標です。広告運用に携わっている方であれば、ARPAという言葉を聞いたことがあるかもしれません。しかし、実際にARPAが何を示す指標なのかまではわからない方も多いのではないでしょうか。下記より詳しく解説します。

ARPAとは

ARPAとは

ARPA(Average Revenue per Account)とは、アカウント(契約者・取引先)単位の平均売上を示す指標です。

ARPAは以下のような業界で利用されています。

  • 通信業界
  • WEBサービス
  • SaaS業界
  • ゲーム業界

特に、複数の端末を利用するユーザーが多いWEBサービスやSaaS業界において、ARPAは収益を可視化するのに有効です。

ARPUやARPPUとは何が違う?

ARPU ARPPU 違い

ARPAと類似している指標に「ARPU」と「ARPPU」があります。それぞれの指標の違いを詳しく見ていきましょう。

ARPU・ARPPUとは

ARPU(Average Revenue Per Use)とは、「ユーザー単位」で平均売上を示す指標です。一方、ARPPU(Average Revenue Per Paid User)とは、「課金ユーザー」を対象に平均売上を示す指標です。

ARPUはユーザー単位で平均売上を算出する

ARPUはユーザー単位で平均売上を算出します。算出方法は次のとおりです。

ARPU=売上÷ユーザー数

例えば、サービスの売上が6,000万円、2万人のユーザーがいる場合は「60,000,000÷20,000=3,000」となり、ARPUは3,000円です。ARPUは、同じユーザーから継続的に売上が発生する収益指標として役立ちます。

そのため、特定期間におけるARPUの増減からキャンペーンなどの効果測定をしたり、想定ユーザー数と組み合わせて今後の売上分析ができます。

ARPPUは課金ユーザーを対象に平均売上を算出する

ARPPUは課金ユーザーを対象に平均売上を算出します。算出方法は以下のとおりです。

ARPPU=売上÷課金ユーザー数

例えば、サービスの売上が6,000万円、3万人の課金ユーザーがいる場合は「60,000,000÷30,000=2,000」となり、ARPPUは2,000円です。

ARPPUを算出することで、課金ユーザーにとって最も効果的なキャンペーンを判断できるようになります。

ARPAの計算方法

ARPA 計算方法

ARPAはアカウント単位の平均売上額を示す指標です。算出方法は下記になります。

ARPA=売上÷アカウント数

例えば、サービスの売上が5,000万円、契約者が10,000人の場合は「50,000,000÷10,000=5,000」となり、ARPAは5,000円です。

近年、スマートフォンやタブレット、パソコン端末などを複数利用するユーザーが増えてきました。そのため、サブスクリプション型ビジネスでは、ユーザー単位で算出されるARPUよりアカウント単位(契約者・取引先)の指標であるARPAが重視されています。

ARPAで成果を上げるポイント

ARPA 成果を出す ポイント

ARPAで成果を上げるポイントは3つあります。

  • 購入を促すプロモーションやオプションの充実
  • アップセルとクロスセルの増加
  • 顧客ロイヤリティの向上

それぞれ解説します。

購入を促すプロモーションやオプションの充実

購入を促すプロモーションやオプションを充実させて、ユーザーの興味関心を高めましょう。ARPAの数値を高めるには、購入頻度をアップさせる施策が効果的です。

購入頻度を向上させる方法には、ユーザーにメリットがあるキャンペーンやイベントの実施、特典付与などがあります。一度のアプローチだけでは見落とされる可能性もあるため、複数回おこなうようにしましょう。

アップセルとクロスセルの増加

アップセルとクロスセルの増加を目指しましょう。アップセルとは、すでに商品を購入しているユーザーに、さらに高い商品を購入してもらう営業手法です。

一方、クロスセルとは、ユーザーが購入を検討している商品と関連性のある商品を提案して、合わせて購入してもらう営業手法です。アップセルとクロスセルを実施すれば、新規顧客を増やさなくても全体の売上を伸ばすことができるでしょう。

顧客ロイヤリティの向上

顧客ロイヤリティの向上を図りましょう。顧客ロイヤリティとは、ユーザーが商品やサービスに対して愛情や愛着を抱いている状態を指します。よりよいサービスや商品を提供することで顧客ロイヤリティが向上し、購入単価のアップが実現できます。

顧客ロイヤリティを向上させるには、サポートの充実や特典付与、アンケート結果をもとにしたサービス改善などをするのがおすすめです。

ARPA以外に使われる主な指標

ARPA以外 指標

サブスクリプション型ビジネスでは、ARPA以外に使われている指標がいくつかあります。

主に使われている指標は下記7つです。

  • CAC
  • LTV
  • RPM
  • Churn Rate
  • ROI
  • GEI
  • MRR

それぞれの指標を解説します。

CAC

CAC(Customer Acquisition Cost)とは、新規顧客を1人獲得するためにかかったコストを示す指標です。ここでいう「コスト」とは、新規顧客を獲得するためにかかった広告費や人件費、活動費などを含みます。

CACの算出方法は、以下の計算式で求められます。

CAC=顧客獲得にかかった費用÷新規顧客獲得数

例えば、100万円かけて50人の新規顧客を獲得した場合「1,000,000÷50=20,000」となり、CACは2万円です。CACは営業やマーケティングの費用対効果、ビジネス全体の利益率を把握するために欠かせない指標となります。

LTV

LTV(Life Time Value)は、1人のユーザーが生涯にわたって自社の商品を購入する「顧客生涯価値」を示す指標です。通信機器やWEB、アプリケーションサービスなどの継続的に利用されるサービスに対して利用されます。

LTVの算出方法は、次の計算式が代表的です。

LTV=顧客の平均購入単価(ARPA)×平均顧客寿命※

※顧客平均寿命=1÷Curn Rate(チャーンレート)

Churn Rate=(一定期間内に解約した顧客数÷期間当初の顧客数)×100%

例えば、顧客の平均購入単価が80万円、平均顧客寿命が10年の場合は「800,000×10=8,000,000」となり、LTVは800万円です。

LTVを最大化させるには、顧客ロイヤリティの向上が重要となります。顧客ロイヤリティが高いほどリピート率が上がり、LTVも向上していきます。また、LTVの算出方法にはいくつかの種類があるため、企業の規模や業態に合う計算式を選ぶことがポイントです。

下記は、多くの企業でよく利用されているLTVの計算式です。

・LTV = 顧客の平均購入単価 × 平均購入回数

・LTV = 顧客の平均購入単価 × 粗利率 ÷ 解約率

・LTV = 顧客の平均購入単価 × 購入頻度 × 平均契約期間

・LTV = 顧客の年間取引総額 × 粗利率 × 顧客の平均継続年数

・LTV = 平均顧客単価 × 収益率 × 購買頻度 × 継続期間-(新規顧客獲得コスト + 既存顧客維持コスト)

LTVの向上にはさまざまな要因が関係するため、自社に合った最適な施策を選択しましょう。

RPM

RPM(Recurring Profit Margin)は「定期利益率」を意味しており、一定期間の収益から運用コスト、管理費用、解約などを差し引き、利益となる金額の割合を算出する指標です。

RPMは、年間の定期的な収益に対する割合(ARR)で算出されます。下記公式に数値を当てはめると、RPMが明確になります。

RPM=(ARR-(解約率+売上原価+一般管理費+研究開発費))÷ARR

RPMがわかれば売上に対して利益がどれだけ残るかを把握できるため、年間の投資可能額や年間利益の計上額を予測しやすくなります。

Churn Rate

Churn Rateとは「解約率」を意味しており、一定期間に全体の何%の会員が解約したかを示す指標です。

Churn Rateの算出方法は、以下の計算式で求められます。

Churn Rate=(一定期間内に解約した顧客数÷期間当初の顧客数)×100%

例えば、一定期間内に10人が解約し、当初の顧客数が1,000人の場合のChurn Rateは1%です。

このように、Churn Rateはサブスクリプション型ビジネスが継続可能かどうかを測る重要な指標となります。また、月間、年間と継続的にChurn Rateを確認することで、自社サービスの成長を正確に把握できるようになります。

ROI

ROI(Return On Investment)とは、投資した費用に対してどれだけ利益を得られたかを示す指標です。

ROIの算出方法は下記となります。

ROI=利益金額÷投資金額×100%

ここでいう「利益金額」とは、粗利(売上-売上原価-投資額)を指します。

例えば、1,000万円を投資して5,000万円の利益を上げた場合は「50,000,000÷10,000,000×100%=500%」となり、ROIは500%です。一方、利益金額が投資額より小さい場合はROIが100%を切ってしまうので、この場合は赤字になる可能性が高いと考えられます。

このように、ROIは事業や業務の費用対効果を可視化できるため、数値が高ければ追加投資して、低ければ改善または撤退の判断を下す材料として役立ちます。

GEI

GEI(Growth Efficiency Index)は「成長効率性指標」を意味しています。新規の売上を獲得するマーケティングコストや営業コストに対して、収益がどれだけ増加するのかを示す指標です。

GEIの算出方法は、下記で求められます。

GEI=営業・マーケティングコスト÷新規獲得ARR

GEIは1.0が基準で、数値が大きいほど成長率が高いと判断できます。

例えば、営業・マーケティングに180万円投資して、90万円の売上を生み出した場合のGEIは2.0です。GEIを把握していれば、投資する費用額に応じて売上がどのくらい増加するか予測できるようになります。

ただし、GEIは最長でも年間の売上までしか考慮できません。そのため、事業投資を加速させる際の判断はCACやLTVを利用するとよいでしょう。

MRR

MRR(Monthly Recurring Revenue)とは、毎月継続的に得られる収益「月次経常収益」を示す指標です。MRRは初期費用や追加オプションは含まず、純粋な月額利用料のみを求めます。

基本的なMRRの算出方法は下記となります。

MRR=月額利用料×ユーザー数

例えば、月額1万円のサービスを1,000人のユーザーが利用した場合は「10,000×1,000=10,000,000」となり、MRRは1,000万円です。

MRRの数値が大きければ収益性は高く、事業の安定性や成長性も高いと判断できます。契約期間が年契約、半年契約、3ヵ月契約など複数存在している場合は、月額利用料を計算したうえでMRRを算出しましょう。

まとめ

ARPA 意味 算出方法 指標

ARPAの意味や算出方法、それ以外に利用される指標などを解説しました。

サブスクリプション型ビジネスを取り扱う企業は、ARPAを参考にすることで効果的なマーケティング戦略を展開できるようになります。

また、今後さらなる売上向上を目指す企業は、ARPA以外の適切な指標設定と管理が大切です。それぞれの指標の特性を理解して、自社の目的に合った成果指標を活用していきましょう。

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